エネルギー自給のための機器を揃えよう④ 出版#9

第二章 オフグリッドに必要な機器

エネルギー自給のためのアイテム

薪ストーブ(10万円〜20万円)

薪ストーブにはこだわった方がいい。オフグリッド生活の中心となる。室内をじんわり温めてくれて、調理までできてしまう。揺れる炎は、暗い冬において室内の太陽となる。実用性と、癒し効果の両方を併せ持つ薪ストーブはオフグリッド生活の一番のよきパートナーであり、生活の質を大きく左右する。

何度もこの画像を引用するけれど、暖房に要するエネルギーは、全体の4割も占める。いい薪ストーブは少しの薪で部屋全体を温めてくれる。つまり、重労働の薪仕事を減らしてくれるので金銭的にというより労働時間的に元が取れる

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さて、本当にイイ薪ストーブとはなんだろう?一般的な定義で言うと薪の持つエネルギーを最大限取り出せる(=暖房に変換する)ことがイイ薪ストーブの定義だと思われる。安物の薪ストーブは煙突に多くの熱が逃げてしまい、1万円分の薪の5000円分が煙突に逃げている、なんていうこともある。

ただ、後付けでこの煙突に逃げる分を回収する装置は作れたりする。ロケットストーブの原理をうまく使うといい(薪ストーブの項で詳しく説明する)。安物をまずは買っておいて、熱効率を上げる工夫は後から付け足す、という方が手間はかかるけれど面白い。結果的に安く収まるし、試行錯誤の過程で知識も身につきどんどん薪ストーブの深みにはまっていくだろう。

さて、熱効率については工夫次第でどうにでもなる。では、イイ薪ストーブの定義とは?ここ数年考えてきてひとつの答えにたどり着いた。それは「お湯を作れる薪ストーブ」である。

通常、薪ストーブは1部屋しか温めることができない。多くの場合リビングに設置されると思うけど、寝室や子供部屋、台所までは薪ストーブの暖気は届かない。通常は。しかし、お湯を同時に作ることができる薪ストーブならポンプでこの熱を各部屋に届けることができる。

お湯での暖房の代表的なものは「床暖房」だけれど、壁に取り付ける「輻射パネル(ラジエーターパネル)」というものをご存知だろうか。セントラルヒーティングという暖房システムに使われるパネルで、お湯の熱を放出して暖房効果を発揮する。日本だと北海道でよく使われているらしく、モンゴルの友人も「モンゴルでもよく見る」と言っていた。寒冷地でこそ使われる暖房システム、ということでその効果は北国の人たちが実証してくれている。

このパネル(もしくは床暖房)と温水を作れる薪ストーブを組み合わせると、直接暖気が届かなくても遠隔で部屋を温めることができる。これこそが、僕にとっての「イイ薪ストーブ」である。しかし、温水が作れる薪ストーブは売られてないか、あっても高額なので自分で作ってしまおう。その作り方をこの本では徹底解説する。安物の方が改造しやすいよ。詳しくは「薪ストーブ」の項で。