貊村(みゃくそん)ー行き詰まった資本主義をそろそろ終わりにしよう

懐かしい風が吹いた。

ぼくはそのときトイレの中でツイッターを開いていた。心から尊敬する三宅洋平氏のタイムラインを眺めていた時に、見知った顔が突然現れた。

 

真ん中の女性。名前を見ると確かに「後藤由美子」と書いてある。間違いない。
ぼくは電話帳を開いてゆみ姉さんの電話番号に電話をかけ、メールにもメッセージを入れた。
しかし、どちらも現在使われていない。どうしても、連絡がとりたかった。
なぜなら彼女はとてもおもしろい事業を立ち上げたと、三宅洋平さんの記事で知ったからだ。


彼女と、唖樵(あしょう)という和尚が立ち上げた会社は「株式会社 貊村(みゃくそん)」という。
この会社は現在の行き詰まった資本主義経済の問題を解決するため「利益を出さないこと」を理念としている。

資本主義の問題点とはなんだろうか?
それは「株主に配当し続ける」ことを義務づけられた会社のあり方である。
よって、会社は利益を生み出し続けることを宿命とする。

そのために、生産者からはより安く買い、消費者へはより高く売ることを目指す。

「安く買いたたき、高く売りつける」

株主への配当、経営陣への超高額な年俸といった会社の利益のために、生産者(労働者)と消費者が犠牲になっている構図だ。

この会社は「一万人の株主」を募集している。
ひとり一枚しか株券を保有することができず、株主の配当は「安く購入できること」。

 

1万人の株主が1,000円づつ出し合って、良質なオリーブオイルの産地とつながる会社を作る。会社で苦労するのは、立ち上げ資金。まだ売り上げを生み出さない事業に対しての先行投資が必要だが、1万人いれば1,000円で1,000万円になる。「寡占」と「独占」が生まれないように、どんなに富裕な者でも1株以上は保有できず、株の売り買いもできない事にする。

1人が年に10本(1本:500ml)消費することを約束すると、10万本分の注文の買取価格が確定することで、産地は安心して有機や無農薬に取り組むことができる。

仕入れや瓶詰め、輸入にかかる経費(原価:700円)


国内での送料、保管・運営の経費、人件費(実経費:500円)

という最低限のコストでの運用が可能になると、売り値 3,500円レベルのナチュラル・オリーブオイルが1,200円で販売可能になる。

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要は生産者と消費者を直接つなぐ共同購入のシステムで、この会社は油を専門に取り扱う。

「大切なのは、1つのものを扱う事だ。」と和尚は言っている。
そして株式会社 貊村が二年でこのシステムを軌道に乗せる。
そうしたら、同じシステムで米を扱う会社、味噌を扱う会社…と展開する。
もちろんそれは若き有志にぜひやってほしい。そして、新しい経済のありかたを形成していく。

「これを、米、麦、味噌、醤油、と色んな品目に1つづつ、増やしていくことに投資すれば命を大切にした新しい経済が生まれる。品目ごとに会社が一つ増えて、また雇用も生まれる。」

「あと2年で、オリーブオイルは私が軌道に乗せる。そこから先は、君のような若い人たちが引っ張って欲しいんだ」

これまでの資本主義経済システムはうがった見方をすれば「半奴隷制度」のようなものだったのかもしれない。安く買い叩き高く売りつける。その間で誰かが突出した給料を得る。生産者も、消費者も虐げられる経済システム。
良質なものを適正な価格で流通させることは人々の生活、人生、そして社会をも健全なものに立て直すことにつながるのかもしれない。
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詳しい事業概要は三宅洋平さんのブログにて。上記の引用部分はすべて洋平さんの紹介記事からいただきました。


 

ゆみねえの連絡先は無防備にも株式会社 貊村ホームページに掲載されていた。
メールを送ると数分後に電話が鳴った。懐かしい声。実に5年ぶりの会話である。

「私もあなたに連絡しようと思ってたの。
7月にみゃくそんを立ち上げる時にあなたに電話とメールをしてみたんだけど繋がらなかった。
あなたならきっと理解してくれて、洋平くんのようにパワフルだから一緒にこの事業を立ち上げてほしいと思ったの。いまどこにいるの?」

いま和歌山の里山で畑をしたりして暮らしていると答えると「やっぱりそっちに行ったか〜」と嬉しそうに彼女は答えた。彼女はいまオリーブオイルの試飲会や講演などで日本中を駆け回り、海外出張にも出向いているらしい。
利益を出さなくて本当に大丈夫なの?と少し心配になってしまうが、きっと彼女はもっと大きな恵みを循環させているから少しも困らないし、むしろより幸せなんだろうと思う。

彼女は僕のところにも「お話し」しに来てくれることを約束してくれた。
良質な油の試飲、そして新しい経済への挑戦。ぜひ後藤由美子の話を聞きに来てほしい。もちろん、会場はゲストハウスikkyuにて。

不思議なご縁だ。同じ時期に名古屋中区の地下vioというお店に入り浸っていた仲。ぼくはそこで昼の営業していない時間に間借りして廃棄食材カフェを開いていた。彼女もお客さんとして遊びに来てくれていた。いつも彼女はウサトという素敵な服を着ていた。

彼女から滲み出る幸福感がこの事業の成功を物語っている。

株主になりたいと思った方はこちらから購入できます!ぼくも購入します!「なんかこの会社怪しい」と思ったとしても良質な油を適正な価格で購入できることは間違いない事実。

http://www.myakuson.link/index.html