失敗しない空き家探し
前項でいくつか「条件のいい家」について触れた。おさらいすると
- 半径50mに隣人がいない
- 日照を遮るものがない
- 南向き
- 車が横付けできる
- 土間が広い
- 湧水や井戸がある
- 温泉に近い
といったところ。では早速空き家バンクで情報を集めて…と行きたいけれどなかなか最初から「本命」の物件に出会えることは稀。まずは気になる地域に「お試し」のつもりで賃貸物件を探すといい。住んでみなければわからないデメリットがたくさんあるのでいきなり「購入」は危険だ。絶対オススメしない。僕自身100万円の家、激安!と思って焦って買ってしまった経験がある。
見よ!この、車を横付けできない超ハードな家!
京都美山、和歌山熊野、そして石川能登島と3回も移住を経験し人よりたくさん失敗してきた僕が、これから移住するあなたに渾身のアドバイスを送る。
まずは賃貸物件を借りる
田舎で賃貸物件を探すといっても、これが難しくてまず玉数が少ない。どの自治体の空き家バンクでも「売物件」は豊富にあるけれど賃貸が少ない。また、賃貸であればなんでもいいわけではなくて「すぐ住める賃貸」でなければならない。仮の住居に修繕費をかけてなおすのは時間もお金も無駄である。間違っても「ゴミだらけ・雨漏りだらけ」の家を仮の家として賃借してはいけない。
しかし、この「すぐ住める賃貸」が本当に少ない。賃貸物件が見つかったとしてもたいてい、ゴミだらけだしカビだらけで大掃除を経ないと住むことができない。掃除だけで済むならめちゃくちゃ良い方。だから「すぐ住める家」なんて見つかればラッキーと思ってあまり期待しないほうがいい。じゃあ移住初手のベストアンサーは何か。せっかくの田舎暮らしでつまらないと思われるかもしれないけれど「仮暮らし」と割り切って自治体が持っている町営住宅、移住促進住宅を借りるのがオススメ。思い切ったリノベはできないし薪生活もお預けになってしまうけれど、そこは急がば回れ。行政や地元とじっくりと繋がりを作りつつ、理想を周りに伝えておけばきっといい物件が出てくる。案外、地域の信頼さえ得られれば良い物件がホイホイと出てくるものだ。「一見さん」には物件情報が開示されないのが田舎システムらしい。
また、行政の家を借りている場合撤退もしやすい。この「撤退のしやすさ」はかなり重要で、「なんか理想と違う」「隣町の方がよさそう…」などと思ったときにサッと身を引ける。というのが、こういう住宅の住民はまだ「集落の一員」になっていないからだ。どこかの集落の一軒家を借りた場合、住んだ途端に「集落の一員」とみなされ色々な役割を与えられ、期待を寄せられる。「しがらみ」である。こうなるとなかなか動きづらくなる。
移住はよく結婚に例えられる。交際0日で結婚した僕の友人カップルがつい先日離婚を決めたようだけど、やっぱり結婚までは「お付き合い」期間が必要で、移住においても「お試し期間」は必要なのである。「ここだ!」と最初は思っても、決して第一印象だけで決定してはならない。最低でも1年間、全ての季節を経験してみてから決断(=物件の購入なり新規事業への投資なり)した方がいい、ということはアドバイスしておきたい。
今住んでる家を買う決心つきました。
現状は賃貸で家賃30000円。全シーズン暮らしてみて、ここに根を下ろすイメージが湧いた。
そうと決まれば持ち主さんと交渉だー!
— モーリー@ecoばかYouTuber (@yusukemori87) February 3, 2021
モーリー
あとせっかく直した家を最終的に離れるのは失うもの多いよ!お金も、時間も。だから本命物件に出会うまでは我慢して力を貯めておこう。