こんにちはモーリーです。
ずっと気になってた徳島アースシップ、見学に行ってきましたよー!!
いつオープン!?とか、内部はどうなってるの!?とか、気になっている人もたくさんいると思うので今日は見学してきた体験をシェアします。
最初に大事なことを言っておきますがこの記事を読んでアースシップ気になって主催者の倉科さんにいろいろ聞きたい!と思った方。アースシップ建築の相談は有料で対応されているそうなのでくれぐれもそこんとこよろしくどうぞです!
Contents
アースシップ現在の様子!
徳島県美馬市内の山間部の路上に車を停め、少しだけ坂道を徒歩で登ると念願のアースシップ、見えてきました。
ごく普通の山にひょっこり現れる、絵本の世界のような異空間。そのギャップに自然と笑みがこぼれます。
曲線と色味がかわいい…。
さて、外観はこのくらいにして中の様子をお伝えします。
まず、入って驚いたのが室内の温度がかなり温かかったこと。外はちょっと涼しい日でした。
いやーすごい。ほんもののアースシップや…。トモちゃん、よくぞここまで…(ikkyu開業時を思い出したけど多分その数倍大変だっただろう)
「究極の循環型エコハウス」のアースシップ。その機能、仕組みについて伺いましたよ!
アースシップの仕組み
発電
発電はオフグリッドソーラー発電。電力会社とは繋がっていません。
パネルは2.2kW発電。普通のソーラーオフグリッドだと思ったのだけど制御室まで用意してなんだかどでかい機械を導入してた。
チャージコントローラー(パワコン?)とインバーター、そして謎の制御機器が一体になっていて、現在何W発電しているのか、あと何Wh電気が使えるのかなどが一目でわかるシステムになっているようでした。
バッテリー室には鍵がかかってたので何kWhの蓄電システムなのか見ることができませんでした…残念。
電気は全て直流→交流に変換して家電を動かしていました。冷蔵庫は家庭用の普通の冷蔵庫でしたよ。
冷蔵庫と照明がメインの消費源でした。
雨水利用
アースシップのいちばんの特徴といってもいいかもしれない、雨水利用。なんと、アースシップMimaでは水道を引いていません!!
砕石や砂のフィルターを通った雨水はタンクに貯蔵されます(埋まっているので見れず)。そして室内の浄水濾過装置を通って飲料レベルまで浄化されます。
この、青いタンクのような物体が無電源で圧を高める装置らしいのですが日本で取り扱いがなく、入手に苦労したみたいです。これがないと水圧がチョロチョロになってしまいます。
また、日本の簡易宿所の営業許可を通すためにどうしても塩素を投入しなければならないらしく、この白いタンクはそのための装置。そして塩素を投入したことで今度は塩素除去フィルターを追加で導入…。法律ってややこしいですね。
そうやってできた雨水由来の飲み水をいただきました。
まろやかで美味しくてゴクゴクと一気に飲み干してしまいました。
排水システム
お風呂の排水はまずフィルターで濾されます。
コレがフィルター。たまに掃除が必要
それから植物さんたちの根元を通ります。その時に水分が沁み出して排水に含まれる栄養分も植物に吸収されます。
植物たちは室内でめちゃ元気に育っていました。もちろん収穫もできます。
これは、植物の根元を通る水分を定期的に循環させる仕組みです。一定期間水の使用がない場合でも水が淀んで臭ってこないように、タイマー制御で循環させる必要があるんだって。
そうして、植物たちの根元を通った後の水は水洗トイレの水として使用されます。水洗トイレの排水は、浄化槽へと流れ込み、そのまま下水へ。
あれ?これも植物さんたちの栄養になるんじゃなかったっけ?と尋ねるとそれは海外の事例で浄化槽から上澄み水が染み出す構造になってて、砂漠でも浄化槽の周りだけ植生が豊かになっているみたいなことはあるよ、と。
しかし日本の法律上、浄化槽の水は一切沁み出してはならないのでアースシップMimaのトイレの排水はそのままバクテリアで浄化して下水に流しているのだそうです。
それから、台所の排水も植物さんたちには油分などがキツいそうなので、そのまま浄化槽へ流れるのだそうです。
ボイラー
温水はこのFUJISOLの太陽熱温水器でつくります。廃材天国秋山陣さんが設置のお手伝いをしたそうです。
これとガスボイラーを連結していて、太陽熱温水器のタンク温度がある温度を下回るとガスボイラーが作動する仕組み。「ほとんどガス減らないよ」とのこと。
空調システム
アースシップは年中室温21度に保たれるそうで暖房や冷房が不要です。後ろから見たらわかるのですが半分土に埋もれているような構造をとることで地中の温度(=年中一定)を取り込むことができます。
寝室(リビング)にあるこの口は空気取り入れ口。地中の温度を取り込みます。
夏は冷房になり、冬は暖房になります。
これを見ただけではわからなかったので制作過程を岸川恵介さんのpostから画像をお借りしてみたいと思います。
正体は土管(どかん)でした。
ここが空気の取り入れ口となっているようです。
写真引用;廃材天国.com/【冷暖房フリーの家】一年中21℃という驚きのアースシップに行って来た
真夏でも、エアコンのように涼しい空気を取り込むことができたそうです!
建築後2〜3年経つと年中21度で安定してさらに快適に過ごせるようになるそうです。
コミュニティと共生する地熱利用: エネルギー自治のためのプランニングと合意形成
ゲストハウスについて
内装工事はもうほぼ終了していて、いつでもオープンできる状態なのだそう。
しかし、水道水ではなく雨水100%なので保健所の検査がまだ時間がかかるそうです。
部屋数
部屋数は2つです。
1部屋2人ずつくらいで4人で泊まるくらいがちょうどいい感じでした。
いざ人数が多いときはダブルベッドの脇からもう一人寝れるスペースが出現しますので四人以上でも泊まれそうです。
お風呂
お風呂はアメリカン方式。ちょっと日本式とは違うみたいです。
トイレ
トイレは2つあってどちらも雨水利用の水洗トイレです。
キッチン
キッチンはガスコンロです。電子レンジや電気ケトル、炊飯器等はありませんでした。ガスで済ませれるものはガスで、という感じですね。
リビング
リビングにはテーブルとソファがあります。ソファはダブルベッドに変身することもできるそうです。
一泊のお値段
気になる宿泊料ですが…1日1組、一棟貸しで3万円代後半くらいを想定しているそう。でも僕が「それ安くない?」って言ったのでもしかしたら1泊10万円とかになるかもしれません。
行くときは大人数で行った方がお得なのは間違い無いです!!
HP EARTHSHIP MIMA
FB Japan 日本 Earthship Academy
感想
ecoばか環境マニアな僕はアースシップはきっと究極で完璧な循環システムなんだとばかり思っていたので
「えっ、そこガス使っちゃうの?」とか
「トイレの排水は有効活用しないの!?」とか
そういうところについ目が行きがちだったけど
倉科さんの「私はアースシップというものを日本に取り入れたかった。1000個以上のアースシップを作ってきた彼らの最高の答えがこの形だから、私は彼らの方針で行こうと思った」
という言葉を聞いて、僕はなんとありがたいことかと思いました。
倉科さんは特殊オーダーせずにアースシップ・マイケル氏の数十年の積み重ねの答えをこの場所に表現してもらったのだなぁ。
日本第一号のアースシップが本物のアースシップでよかった。(雨水利用の)水洗トイレも使う、ガスも使う、でもこれが本物のアースシップであってマイケルさんの現代における最適解なんだよね。
実際に僕はここに来てみて本当に多くのことを学べたしアースシップ第一号を産み出してくれてありがとうトモちゃん!!という気持ちになりました。
HP EARTHSHIP MIMA
FB Japan 日本 Earthship Academy
【おまけ】制作過程の画像
岸川恵介さんのpostがとても詳しく制作過程の写真を記録されていたので一部拝借させていただきます。