組み立て30分で本格的な薪風呂をつくる【災害対策】【モバイル露天風呂】

能登半島地震で多くの友人たちが被災して日常に戻れずにいます。

特に、トイレとお風呂。この機能を失った家に住み続けるのは非常に困難。

ということで簡単に作れるお風呂を思いついたので制作しに行った時の動画がこちら。

今日はこのお風呂づくりのレシピを改めて公開します。

いつかあなたが困った時に役立ててください。

用意するもの

シンプルにバスタブ、ボイラー、テントの3点セット、以上が主なアイテムとなります。

バスタブ

ヤフオクで「ステンレス 風呂」「ステンレス 浴槽」で調べてみてください。5000〜10000円くらいで出品されています。送料は1万円くらい。

見るポイントとしては2つの穴が側面に空いていることです。ボイラーに接続して熱交換するために必要な穴となります。自分で空けるのは難しいのですでに空いているものがベター。

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もう一つポイントがあって、できるだけ気をつけたいのはただ穴が空いているこういうものではなくて

□中古 ステンレス浴槽 SUS304 W80㎝×D70㎝×H63㎝ 風呂桶 雨水貯水 農用 DIY加工等 キズ・凹み・汚れあります□(浴槽、バスタブ一般)|売買されたオークション情報、Yahoo!オークション(旧ヤフオク!) の商品情報をアーカイブ公開 - オークファン(aucfan.com)
↑ただの穴

そうではなく、継ぎ手まで残してあるものがベターです。

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継ぎ手が残っていると防水処理が不要になります。これだけでかなり手間が変わります。自分で防水しようと思ったら余計な部品を買わないといけなくて、これが結構高くついてしまいます。

風呂釜

ステンレス浴槽を沸かすための薪ボイラーは長府の風呂釜一択です。長い薪も入る「ロング」タイプがベターです。

 

新品で6万5000円と少し高価ですがジモティやヤフオクでもたまに中古が1万円とかで出品されていますので探してみてください。

あ、石油でも沸かせるハイブリッドタイプもあって、そちらも便利ですね。

また、煙突径が120なのですがテントとの兼ね合いで1ランク小さくするアダプターを購入しておくと便利です。

排気筒取付口 Φ120×Φ106

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テント

テントは煙突抜きに対応しているサウナテントが◎

サウナテントだと断熱材も少し入っているので冬でも暖かいです。

私はこちらの商品を買いましたが気に入っています。

組み立て方と注意点

①勾配が必要

長府の薪ボイラーは「熱いお湯は浮上し、冷たい水は沈む」という性質を利用して、自然循環でお湯を沸かします。

そのためには上下のパイプのうち、上のパイプは浴槽に向かって勾配を高くしてあげなければなりません(画像参照)

ということで浴槽をブロック塀等で嵩上げする必要があります。

僕は嵩上げにプラスチック製パレットをよく使用していますが安定しさえすればなんでもいいと思います。

②管と管を繋ぐ

薪ボイラーのゴム製の管を浴槽に繋ぐ際に必要なのが「継手」

最適な継手が僕はよくわからなかったのですが、色々試した結果塩ビ30の継ぎ手がベストな径であることを突き止めました。

クボタケミックス TS継手 ソケット(S) 30

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長府薪ボイラーには4つの締め付けバンドが付属していますが2個足りないのでそれも必要なら買い足します。40mmくらいまで締め付けられるタイプのものを選びます。

③煙突を抜く

浴槽とボイラーを繋いだらテントをかぶせます。

サウナテントには煙突を抜く場所があるのでそこから煙突を出します。

煙突径120mmのままだとサイズが合わないので120→106にサイズダウンさせた方がいいです。

排気筒取付口 Φ120×Φ106

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④脱衣所を作る

お好みですこのをひいたり脱衣所スペースを作ります。脱いだ服や新しい服を置いておけるラックがあると便利です。

あと鏡やドライヤーも。

⑤着火の注意点

着火の前に水を張らなければなりません。

上図の最低水位より水を溜めてから着火しないと空焚きになってしまい、ボイラーが壊れます。

また、お風呂が終わったからと安易に水を落とすなかれ。まだボイラーに火が残っているうちは水を落としてはなりません。

以上の点に注意して、着火しましょう。

まとめ

ということで、このシステムにかかった経費は

テント2万5000円
浴槽2万円
薪ボイラー6万5000円
煙突5000円
雑費5000円
合計12万円

ってな感じです。

これを能登被災地で3台直接設置しに行き、2台は物品提供をしました。

設置した場所では4ヶ月経った今でも使われ続けているそうです。

いい支援ができたなぁ。と思う反面、まだ緊急のお風呂が必要な状況であることに愕然とします。

今の政治にはほとほとうんざりしています。

被災したらトイレとお風呂に困る

予想はしていたけれど身をもって知り得た事実です。

今回紹介したお風呂はすぐに買い揃えてたまにレジャーとして使い慣れておくことを強くお勧めします。

また、災害トイレの作り方はこちらの動画から。