煙突への排熱をお湯に変換する方法。いろいろ試した結果と考察

どうも、モーリーです。

「煙突 排熱 お湯 変換」なんて誰が検索するんだろう、、、

と思いつつも見つけてくれたマニアックな皆様ようこそいらっしゃいまし。

さてわたくし、これまで幾度にもわたって煙突への排熱を回収してお湯に変換するという実験を繰り返してきました。要は薪の熱を最後まで使い切りたいんです。

こんなにお湯を作ることに執念を抱くyoutuberは他に居ないだろうな…

↑煙突外側に銅管20mを巻きつけてみた。初めて「管内沸騰」というものを体験した。

↑こちらは10mフレキを内側に巻いて熱回収。最初はうまく行っていた。

↑高橋素晴さんのアイデアで給湯器のラジエーターを使用したもの。これはすぐに詰まった。

↑最新版はこれ。ベストな方法かと思いきやこれも色々課題あり。


今回はこれまでの経験を踏まえてベストな方法を考察したいと思います。

フレキパイプと銅管は◯◯が全然ちがう!!

以前の記事にも書きましたが、ステンレスと銅って、熱伝導率がかなり違うんです。

ステンレスの熱伝導率は意外に低い。熱交換器に最適な素材は?

銅が398に対してステンレスは20前後、とその差20倍です。

ちなみにアルミも熱伝導率が高くて236。アルミサッシが家を寒くするのはこの熱伝導率が良すぎるのが原因です。

ちなみのちなみに鉄は熱伝導率80です。

もう一度言いますがステンレスは20です。金属の中では最低ランクです(まあ合金だけど)

さて、これらの素材を熱回収用に煙突内部に仕込むと、やはりステンレスフレキより銅の方が圧倒的に熱を回収してくれます。

ステンレスと銅の違い
銅の方が熱伝導率が高く、熱回収効率が良い

しかし銅管は一般的に販売されているものは径が細く、管内沸騰を起こしやすいです。

↑我が家の排熱給湯システム

管内沸騰という恐怖-パイプ系の弱点

こちらの動画でその管内沸騰というものが起きてしまいました。

これ、室内で起きたら結構シャレにならないです。

このスチームを水中でボコボコさせたら普通にお湯温まるよ、という意見もありますが怖くて僕はまだ実装したことがありませんww

フレキパイプは径が大きく流量も多いのでその点、管内沸騰の心配は銅管ほどはありません。が、やはり、素材がステンレスなので熱回収能力に欠けるというか…ここはかなり悩ましいところです。

管内沸騰を避ける方法としては流量の大きなポンプにする、

あるいは銅管よりは径の太いフレキパイプを採用する、

という対策になるかと思います。

管内沸騰を避けるには

ポンプの流量を多くする

銅管よりフレキパイプを使う

煙突内部にパイプを仕込む弊害

もうひとつ、銅管やフレキの難点をあげます。

煙突内部にフレキパイプや銅管を仕込むと煤の付着量がえぐいです。

煙突内部の熱気に冷却水入りの管を通すと、水温と外気(熱気)の温度差で結露します。

煙突内部で結露すると熱気が急冷されて煤やタールが煙突内部に固着します。

その後はみなさんご存知のとおり、煤の蓄積で煙道が狭くなり煙の「引き」が悪くなり、ストーブの燃焼も悪くなります。煙道火災の原因にもなりかねません。よく、我が家も煙が逆流していたのでそれが煙突詰まりのサインでした。

パイプ方式であれどんな方法であれ、煙突でお湯を作るということは必ずこの試練は通るのですが煙突内部に管を仕込むとこの煤の掃除が大変です(表面が平らじゃないからね)

煤の量もなんだか多い気がします。

結論から言うと煙突内部に管を仕込むのは正直あまりオススメではないです。

色々実験した結論

煙突内部に管を仕込むのは得策ではないっぽい

頻繁に掃除する覚悟があるならばアリですが。僕の経験ではだいたい1ヶ月半くらいで詰まる感覚でした。

今のところのベストは煙突そのものをタンクにすること

色々と実験して失敗も繰り返した中で今のところの結論は「煙突をタンクにすること」。

頭にはてなマークの皆様、こちらの動画を少しだけご覧ください。

そう、煙突が二重になっています。

その二重の空間がタンクになっていて、この仕様では18リットルあるのですが(もう少し小さい方が良かった)

このメリットとしては管内沸騰起きることがないこと!

そして煙突内径を狭めることがないので煤の掃除がラクです。内側が面ですからね。管のときは表面が段々になっていました。

はいここ、ポイントです。タンク型にすると内部表面が面となります。管の時の段々とした表面と比べると「表面積」が小さくなります。

それがゆえに熱の回収率は低いみたいです。18リットル分、温めるべき水量が増えた分を差し引いても温度上昇が緩やかです。

とはいえ、安全に確実に温度上昇はしますし今のところ僕はこれがベストだと思っています。

ちなみに素材は鉄を使用していますのでサビ水が循環しています。

ステンレス製だと錆びないけどもっと温度上昇が緩やかなんだろうなー。

ちなみに鉄製で5万円で製作いただきました。

ステンレスだと、、、さらにお高いです、恐ろしいので見積もりすら取ってもらってません。

あ、話題変わりますがそういえばかつてこれに似た製品があったようですね。

いやー、これ面白い。やっぱり考えることは一緒なんですねぇ。いくらで売られてたんでしょう。今は探したけどこの会社なくなってるみたいです。情報お持ちの方、教えてください。

俺的ベストな熱回収方法

煙突をタンク化。安全性は抜群。ただし、熱回収能力は低め。煤の詰まりはパイプ仕込むよりは少ない

そうそう、煤の詰まりは現在数ヶ月使用しても全く問題なしです。

管を内部に仕込んだ時よりも確実に長持ちしています。

一周回って周りに巻くのが一番良い?

「煙突をタンクにするのがベスト!みんなもやってみてね!」

なんて全然言えないくらい、DIYでの難易度はSSランクです。溶接で防水しなきゃですからね。

それで結局はちょっと熱回収弱いんですけれども銅管を煙突外側に巻きつけるのが結局はDIYerの僕たちにはベストな方法なのではないかなと。

外側に巻くなら結露もそこまでしないはず。

動画では8mm径の銅管を20m巻いていて、管内沸騰しちゃってます(ということはそこそこの熱回収力はあるみたい)。

これでは長すぎ&細すぎってことなのでしょう。

なので10mm径(0.8mm厚)の10mに対して一つの耐熱ポンプ、というのをひとつの系とした方がよさそうです。

あと動画では煙突を二重にしてその間を断熱材で埋めています。

これはこれで良かったと思うのですが今の僕ならセラカバーをぐるっとひと巻き、ぎゅうぎゅうに締め付けて巻くかなぁ。その上から200mmスパイラルダクトを無理やりかぶせる。

今度また実験してみようと思います!タンク型よりも集熱力高ければこの方法がベストってことですね。

新保製作所に素晴らしい商品が!

いまいち決定打を出せないまままとめに入るのが申し訳ないです。

今回の記事のテーマに通じる商品を発見しました。

煙突に排出される熱をお湯に変換する部品を北海道の新保製作所さんが作っています!

シャンティクティの臼井さんはこれを愛用されてますね。

これに自作で蛇口を接続してお湯を利用しやすくカスタマイズしていました。

この分野に関しては「商品化」は目論んでおりませんが、今後も実験を重ねていく予定です。

意外と、この新保製作所の湯沸かし器がコスパ的にもベストアンサーだったりするのかもですね。

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↑ストーブ本体に銅管を仕込んでお風呂を沸かす動画も結構参考になりますよ