古民家暮らしの4つのコスト。金持ち以外は手を出してはいけない理由

10年ほど、古民家に住んだり改修したり何かと携わってきた僕から渾身のアドバイスをこの記事に込めたいと思う。

僕は20代〜30代前半の貴重な時間の多くを古民家の改修という地獄に注ぎ込んだ。時間ばかりでない。当然お金も注ぎ込んだ。その額なんて恐ろしくて計算したくもない。

「貧乏人の諸君、古民家には手を出すな!!!」

 

【金銭的コスト】古民家の改修には家1軒建つ費用がかかる

まず、最初に言っておくけれど古民家をバッチリ改修しようと思うと家一軒建ってしまうくらいの金額がかかる。

ガジェットyoutuberのカズチャンネルさんは古民家の改修に2800万円かかったと告白。

しかも「費用を安く抑えるためにDIYもした」上でこの金額だったそう。

それでもカズさんは隙間風が寒いって言ってた。多分断熱工事は入れなかったんだろう。このお金をかけてもなお震えて過ごすなんて地獄である。 ※場所は福井県

また、親しくさせていただいている名古屋大学教授高野雅夫先生もやはり「新築するほどお金がかかった」とのこと。

老い先短い古い家に新築並みのお金をかける…

うーん、だったら新築建てたほうがよくね!?

ってシンプルに思うよね。

正直、古民家暮らしっていうのはお金持ちの趣味道楽の世界である。と僕は認識している。

【時間的コスト】これを無視してはいけない…

youtubeを眺めているとたまに「かかった費用300万円」で見事なクオリティのリノベを実現している人も見かける。

でも、その裏には夫婦2人が仕事をまるっと休んで1年間もDIYばかりしていた、というような事情があったりする。

ここで冷静に考えて欲しい。

夫婦2人が1年間普通にお勤めしてたら600万円くらいは稼いでいるぞ。

ということは見えざるコストとして、このDIYには600万円が費用としてかかっていることになりはしないか。つまり、材料費を300万円に抑えられたとしてもこの改修全体としては900万円がかかっている計算になる。

地方だと900万円あれば築10年のピカピカの家が普通に買えるからね!?

そして古民家改修は終わりがない。ひとしきりやり終えたあとにも、「時間とお金ができたら次はあそこを直そう」という箇所は無限に出てくる。住みながらあちこち不具合が起こる。こうして貴重な時間が底無し沼に溶けていく。

僕はここを強調したいのである。僕が溶かした時間は20代の貴重な期間であった。20代の1年はあまりに重い。自分を大きく成長させる伸び代しかない貴重な時間を古い家を直すことに費やすなんて甚だもったいないと思う。そしてその後もずっと時間は分散して溶けていく。

そしてあえて衝撃の事実を言おう。

DIYは節約にはならない。プロに頼めばあなたのシロウト仕事の3倍の速さで仕上げてくれるしクオリティも高い。それでいて日当1.5〜2万円で仕事してくれる。あなたの3日分の仕事をプロは1日で終えてしまう。たったの1.5万円で3日も浮くことになる。プロの力を借りて自分の時間を確保し、その貴重な時間を使って自分の事業で積み上げるもの積み上げろ、と僕は思う。

【離婚リスクというコスト】

おいブルータス…お前もか!っていうくらい古民家暮らしの人はよく離婚する。

これまで話したように古い家は可処分時間も可処分所得も容赦無く蝕んでくる。

やってもやっても終わりが見えない作業。日に日に減る口座残高。

そして目の前には課題山積みの家、水回りが汚くてまだまだ暮らしにくい家、、、

そりゃ、イライラするしお互い不満も溜まります。

こちらの古民家youtuberさんも離婚の道を歩んだそうです。

古民家DIYと犬

夫婦2人ですらこうして破局を迎えるっていうのに幼い子がいたりなんかするともう一瞬で崩壊です。

生まれたばかりの子供を連れて古民家に移住なんて絶対やめてくださいね。あ、9年前の我が家のことですw

【健康リスクというコスト】

人間は恒温動物。室温が10度でも体温を36度にキープしようとして、体内のエネルギーを燃やす。

体温維持にエネルギーが使われると当然その分他のことに使えるエネルギーは目減りしてしまう。

異常に眠くなって仕事が捗らなかったり、免疫力が低下して風邪をひきやすくなったりという経験、古民家暮らしの皆さんなら体験済みだろう。家が寒いということはこういったロスが発生しているということ。これも立派なコストです。そして免疫が落ちるということは寿命も縮まっているかもしれない。

そもそも僕がなぜ古民家なんてやめとけと言うようになったのかというと能登に移住してしまったからである。それまでの和歌山での古民家暮らしはまだ耐えられるものであった。つまり、そこまで寒くなかったのだ。雪国の古民家は耐えがたいものがある、、、。どうしても古民家暮らしに憧れる人はぜひ南への移住をお勧めしたい。九州や四国、和歌山あたりの方々は古民家に暮らしてもそこまでデメリットはないかもしれない。

まとめ

以上、古民家には金銭コスト、時間コスト、離婚リスク、健康リスクという4つのコストがかかることをお伝えした。これらのコストがかかってもなお、100万円の古民家が安いと思うだろうか?僕はたとえ0円でもらえるとしても古民家にはもう住みたくない。

今は500万円で購入した築20年の家に暮らしている。びびるぐらい快適である

この動画をだしてチャンネル登録数が2000ほど減った。これまでになかった現象でちょっと気が動転している。攻撃的なコメントもいくつか見られた。中でも「活動の方向性を変えたんですね。チャンネル解除します!」というものが多かった。これについては反論させてほしい。

方向性を変える?まさか。

むしろecoばか色を強めたくて今快適な家に暮らしている。暮らしにコストを支払わない分、仕事に集中できるのだ。これからますます僕は面白い実験ができると思う。逆に古民家DIYは僕のチャンネルの不純物であった。これを入り口としてフォローしてくださった方も多かったのかもしれないがそう言った方には面白くない変化だったのかもしれない。

ecoばか純度、高めます。

まあ話は逸れたけれど古民家を100万円で買うくらいなら築20年以下の家に800〜1000万円払った方が総合的にお得だよ!っていう話でした。20代〜30代前半の貴重な伸び代期間を、DIYに没頭するのは大工を目指してない限りとっても損な時間の使い方だというのが僕の考えです。20代30代で自分の価値を高めて稼げるようになってから趣味でやったらいいんです古民家いじるのは。長々とすみません、最後まで読んでいただきありがとうございました。