兵庫県三田市の「竹パウダー銀行」が面白い

こんにちはモーリーです。

学生時代から「現代農業」を毎月取り寄せている農業オタクな学生だった僕ですが、衝撃の素材「竹チップ」のことを知ったのも現代農業の記事でした。

現代農業 2010年 10月号 [雑誌]
当時僕が読んだ「現代農業」

当時から注目していた竹チップ(竹パウダー)で面白い取り組みがあるというので調べてみました。

竹バウダーとは

 

竹パウダーはその名の通り、竹を専用の「粉砕機」で粉にしたもの。

ええっ。それってなんの役に立つの?って思うじゃないですか。チッチッチ。侮ることなかれ、竹のパワー。なんせ成長期には1晩で1mも伸びることがある素晴らしい生命力。そして、繁殖力。

その生命力と繁殖力ゆえ野山を荒らす「厄介者」として田舎では忌み嫌われていますが、竹炭にすることで昔から利活用はされてきました。

近年これを炭ではなくチップ(パウダー)にすることで活用の用途が広がり急速に竹の価値が見直されています。

竹チップ製造後に密封して嫌気状態にすることで乳酸菌が増殖するのですが、この乳酸菌と、竹繊維の多孔質な構造が、様々な用途に活用される秘訣なのです!

土壌改良

竹パウダーは土壌改良にとても効果的で、土壌にすき込んで使用したり、また、雑草を抑制するために表面を竹パウダーで覆うという使い方もされます。

雑草を抑制したあとは土壌の栄養になる。こりゃいいことずくめだ!!

家畜の飼料に混ぜると腸内環境改善

家畜の飼料に竹パウダーを混ぜると、乳酸菌が働き、腸内環境を改善してくれる効果があります。

家畜の赤ちゃんの死亡原因の大きなもののひとつに「下痢」があります。ここが竹パウダーで改善されるというので、畜産農家さんはぜひ竹パウダーを導入されることをオススメします(竹の棘がネックらしいですが)!

生ゴミコンポストとして

画像;NPO法人竹もりの里

竹パウダーは優良な「生ゴミコンポスト」として活用することができます。竹は糖分が豊富で、それをエサにする微生物が増えるのです。また、多孔質な構造が、微生物の繁殖にとてもいいのです。

竹パウダーの中に生ゴミを入れると発酵を促進してくれ、また、匂いも吸着して抑えることができます。

竹パウダー銀行なるもの

近年、この竹パウダーを使って様々な地域活性の活動がされています。高知の地域おこし協力隊の方も竹粉砕機を導入したそう。

こういった動きは「いいなぁ」と思って見ていたのですが、中でもグッときたのが兵庫県三田市の画期的なシステム「竹パウダー銀行」です。

竹パウダー銀行の仕組み

 

①講習会(参加費500円)に参加する。そこで15Lの竹パウダーとスターターキットをもらいます。

②家庭で生ゴミを堆肥に。3ヶ月後にボカシ堆肥が10kgできる。

③その半分を「銀行」に預ける(半分は自分用に使える)

④新たな竹パウダー15Lとぼかしブレンド(竹パウダーボカシに竹炭5%と草木灰5%をブレンドしたボカシ肥)1kgをもらえる。

 

という仕組みです。ボカシ堆肥を預けた利子として再び竹パウダーがもらえるのです。

これ、永続的に家庭の生ゴミが循環する仕組みじゃないか!!

モーリー

でもコレ、どうせ行政の補助ありきの事業でしょ…

と思いません?そう思って電話でインタビューしてみたんです。

三田市シルバー人材センターへインタビュー

モーリー

この事業はいつから始まったんですか?
4年前から始まりました。その前に試運転期間が2年ほどありました。また、肥料を販売するのに「特殊肥料登録」を取得しなければならず、それに6年かかりました。今年の5月から肥料を正式に販売できるようになったのです。やっとスタートラインに立てたという感じです。

佐藤さん

モーリー

ズバリ聞きますがこの事業はどのようにお金が回っているのですか?
これまで行政として竹林を伐採(整備)して、その間伐材を燃やして処理していたという背景がありました。焼却処理にはお金がかかっていたので、竹をパウダーにすることに関して行政が応援してくれることになりました。人件費はそれでまかなっています。それ以外の行政の補助はありません。

佐藤さん

モーリー

ということは堆肥の販売でその他をまかなっていくという感じですかね。人件費以外でかかる費用はありますか?
竹粉砕機のリースの経費がかかります。それから、年に一度メンテナンス費も。それらは年間50万円ほどかかります。

佐藤さん

モーリー

なるほど。現在この「竹パウダー銀行」に登録している方は何人くらいいるんですか?
現在は40〜50名の方が登録してくれていて、月に4〜5人の方がボカシ堆肥を持ってきてくれます。年間でいうと、200〜250kgくらいの堆肥を作っています。

佐藤さん

モーリー

(思ったより少ないぞ…)それで経費を賄うのは厳しそうですね。
竹パウダー銀行だけでは経費はまかなえません。我々はもともと竹炭をやっていて、それが基盤となり竹パウダー活動を支えています。家庭のボカシ堆肥だけでは量が少ないので、現在は学校給食を堆肥化したいと思っているところです。

佐藤さん

モーリー

同じ仕組みを他県でも取り組みたい場合のポイントはなんだと思いますか?
竹パウダー銀行を事業としてやるなら採算は厳しいと思います。我々の運営母体はシルバー人材センター。こういったところが取り組むなら、全国に展開することは可能だと思います。そしてそれを目指して活動しています。

佐藤さん

モーリー

なるほど!貴重なお話ありがとうございました。

モーリーの意見

今回お話を聞かせていただいた佐藤さんの「事業としてやるなら採算が難しいと思う」という言葉がひっかかりました。

似たような事例として思い浮かんだのは「木の駅プロジェクト」。これは間伐材(C材)を切り出して所定の場所に持ってきてくれたら1tあたり7000円で買い取りますよというプロジェクト。この買い取り価格の半額分を行政が負担することでこのプロジェクトはうまく回っています。

このプロジェクトに行政がお金を出すのは、それが結果的に行政としても「得」になるから。

森林保全は災害防止にもなるし、様々なメリットがあるから進んでお金を出せるんです。

竹パウダー事業も、生ゴミ削減、竹林整備という意味ではかなり税金の削減につながります。

事業が「ようやくスタートラインにたったところ」とおっしゃっていた通り、まだまだこれからという感じがします。

ぜひこの事業をうまく軌道に乗せてもらいたい!

三田市の動向を今後とも注目したいと思います。そして僕もコンポストトイレに竹パウダー活用してみたいと思います。