太陽熱温水器を薪ボイラー化する「湯沸かし魔神」の作り方

どうもこんにちは、モーリーです。

今回は太陽熱温水器を薪ボイラー化する、というテーマでノウハウをお伝えします。

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太陽熱温水器を薪ボイラー化!?基本的な考え方

太陽熱温水器は、太陽の熱でお湯を温める装置というのが表の顔ですが優秀な保温タンクであるという側面もあります。

ただしこれは真空管式に限った話。真空管部分は魔法瓶のように熱を逃さないので、集熱はできるが放熱はしない魔法の保温タンクとして使えます。(昔ながらの平板式は放熱量も結構ある)

太陽熱温水器は雨天曇天の日には役に立たないものと思われがちですが保温タンクとしての利用価値がものすごく高いです。

ポイント
真空管式太陽熱温水器は超優秀な保温タンクでもある。

というかその実態は太陽熱も回収する保温タンク。であると言える

さて、今回は太陽熱温水器をサブタンクとして利用する薪ボイラーシステムを構築します。

通常「薪ボイラー」はタンクを直に熱するのが普通ですが、燃焼室とタンクを切り離すことも可能です。

言ってみたら直焚きの薪風呂と、「循環式」と言われる薪風呂の違い。

↑こっちが直焚き。通常の薪ボイラーはこのタイプ。

 

こっちが循環式。燃焼室と浴槽が分離。「温かいお湯は上へ移動する」という自然循環でお風呂を温める。

循環式、知らない人はピンと来ないかもしれないですが実はこのタイプのお風呂はかなり普及しています。

沸くのは直焚きよりはさすがにちょっと時間がかかるけど。

で、「太陽熱温水器を薪ボイラー化」というのは基本的にこの循環式と考え方は一緒。

浴槽に真空管が生えて、循環パイプが伸びてポンプを入れただけ。

意外とシンプルなのです。

湯沸かし魔神の設計

上記イラストで紹介したように風呂焚き釜と太陽熱温水器を接続してポンプを導入するだけで、太陽熱温水器の薪ボイラー化が完成します。

太陽熱温水器と風呂焚き釜を組み合わせて薪ボイラー化してしまう温水ハック ※こちらの記事で紹介しました。

ただ、僕は何度かこの長府風呂焚き釜を使用したことがあるのですが「焚き口が小さいな」という感想を抱きました。焚き口が小さいと少量の薪しか突っ込めない。ということは、しょっちゅう薪をくべなければならない。

できたら、最初にドンと薪を突っ込んで着火すると、鎮火したころにはお湯ができてるといったシステムがいい。手間の省略、大事。

ということは焚き口の大きな風呂焚き釜を自作しなければならない!

そうして「湯沸かし魔神」を制作することになりました。

基本的な構造はこのような感じ。合計40m分のフレキ パイプで熱回収します。

蓄熱層の周りに断熱層を入れてるのが何気に大きなポイント。

それから、フレキ パイプは10m巻が1単位なので10mごとにジョイントが必要になります。メンテのために系の外側でジョイントさせます。

煙突に逃げる熱がかなり大きいと予想されますので煙突にも10m分フレキを仕込みます。

太陽熱温水器の水をこの40mのフレキ に通して循環させ続けることで遠隔で加熱させることができます。

湯沸かし魔神の作り方

①ドラム缶とスパイラルダクトとアルミダクトの3層構造

まず用意するものはドラム缶、スパイラルダクト(400mm径)、アルミダクト(300mm径)です。

スパイラルダクトは楽天の「ぱいぷや」さんで購入しましょう。

アルミダクトが近くのホームセンターになければスパイラルダクトでもOK。

この3本を同じ長さ(ドラム缶に合わせる)にカットしておきます。

②アルミダクトを加工

アルミダクトに煙突用の穴を開けます。

そして、煙突カップリングを下から差し込みます。鉄鋼ビスで固定。

③アルミダクトにフレキパイプを巻き付け

フレキ パイプ10mをアルミダクトに巻き付けていきます。

いったん抜きます。

それを400mmスパイラルダクトに押し込む。

そしてフレキ の両端はダクトの外に出します。

これを、3セットでこんな感じ。

④アルミダクトをスパイラルダクト内側に挿入

⑤さらにそれをドラム缶に挿入

いったん、煙突接続部分を養生テープで防水処理しておきます。

ドラム缶にはフレキ用の6つの穴と煙突用の穴を開けておきます。

この状態で、ドラム缶にIN!

フレキを6つの穴から出します。

煙突も接続。

⑥断熱材と蓄熱材を充填

一度少量のモルタルを流し込み、一晩寝かせます。

これはダクト間の隙間を埋めるための防水措置です。

翌日、モルタルが固まって蓋の役割をしたのを確認したら、蓄熱材としてモルタルを流し込みます。

蓄熱層が固まったら、断熱層にパーライトを充填します。

仕上げにパーライトモルタルで蓋をして、パーライトが流れ出ないように処理します。

これで、湯沸かし魔神が完成しました。

⑦熱回収煙突を接続

僕の実験でたびたび登場している湯沸かし煙突を接続して排熱からも熱回収しちゃいます。

これで合計40m分の熱回収経路となりました。

途中で管内沸騰しないように強力なポンプが必要です。

それから、全てのフレキ パイプを繋いだら今度こそ完成ですね。

湯沸かし魔神の配管

さて、湯沸かし魔神が完成したのでいよいよ太陽熱温水器と接続します。

さて、太陽熱温水器と湯沸かし魔神の配管ですが基本的には前出のこの図と同じです。

我が家の場合の配管をもう少し詳しく見てみましょう。

ここでひとつ注意点があって、ポンプは熱交換器より手前に仕込むということです。熱交換器よりあとにポンプを仕込むと管内沸騰してしまった場合に蒸気でポンプが壊れます。

ポンプにはこちらを使用しています。80Wの結構強力なポンプ。流量がなければ管内沸騰してしまうので。

このポンプは最高のコスパを発揮しますが、最高動作温度が60度となっているため、あんまり温度あげすぎるのはNGです。まあ60度まで上げれたら十分なのですが。

しっかりとした耐熱ポンプを入れたい方はグルンドフォスポンプを導入してください。プロもこれを使うみたいですね。

いざ燃焼。ボイラー効果は?

さて、湯沸かし魔神の制作と配管が完了しました。いよいよ着火です。

実験開始時、17時40分。水温35度でスタート。循環ポンプも動作開始。1時間燃焼させてみます。

1時間後、18時40分。水温76度。60分の燃焼で40度の温度上昇でした。

200リットルのお水を60分で40度上昇させるってなかなかいい数字だと思います。

既製品の薪ボイラーが60分で60度くらいと聞いているので。

普通に薪ボイラーとして機能してます。正直自分でも驚いてます。いやぁ、すごいぞこのシステム!

注目して欲しいのは、この日少し晴れていたのでスタート時点で温度が35度もあったってことです。

これ、フツーの薪ボイラーだったらスタート温度=水道水の温度。ってことで10度くらいでスタートだと思うんですが。

太陽熱温水器があらかじめ太陽熱を回収してくれてたんですよね。25度分も。

そう。太陽熱温水器と湯沸かし魔神を組み合わせた「薪ボイラーシステム」の何がいいかって太陽熱による予熱の恩恵があるってことなんですよね。

「薪ボイラー」として熱回収効率で勝負したらそりゃ既製品薪ボイラーに負けますわ。

でも、この「予熱」があることで目標温度に到達するまでの資源量と労力は既製品の薪ボイラーと同等レベルになるのではないか、と考えます。

また、今回実験のために1時間も燃焼させましたが実際は30分焚けば60度近くになってたんで、風呂に入るにはじゅうぶん。最初の薪投入分だけでお風呂に入れてしまう。

薪を追加する労力が不要!これが、このシステムの凄いところだと思っています。

薪の投入頻度が少ない=手間がかからない。これこそが「効率」というもの。

やっぱり燃焼室の大きさは正義だということ、実感しましたねー。

湯沸かし魔神の能力

60分の燃焼で40度の温度上昇。

太陽熱温水器の予熱能力と組み合わせると市販の薪ボイラーに匹敵。

それでいてこのシステムの総額は市販の薪ボイラーの半額程度。

今回のシステムには日本エコル製の太陽熱温水器(25万円)を使用しました。その他の材料の値段なども書いておきますね。

・フレキパイプ40m 1万円
・400mmダクト 6838円
・300mmアルミダクト 2000円
・パーライト 3000円
・ポンプ 8000円
・その他配管部品等5000円

合計3万4000円くらい。

太陽熱温水器とあわせても30万円程度のシステム。

さあ、60万円の薪ボイラーを買いますかって話!

まとめ

これを読んで「湯沸かし魔神を作ろう!」ってなる人は少ないと思います。難しそうですよね。

僕だって2基目は作りたくありません

まずは普通に長府風呂焚き釜と組み合わせることをお勧めします。

まあでも「まずは」って言えるお値段でもないので貧乏人経済的にもエコな暮らしをしている人はぜひ湯沸かし魔神を作りましょう!

要望があれば僕が製作して販売することも可能です。ワークショップなどでもよさそうですね。