うみはもうたべれない。
モンゴル岩塩を選ぶことにしよう。世界中の「食塩」ブランドの9割でマイクロプラスチックが発見される – GIGAZINE https://t.co/JXoMW81Iwa
— オフグリッドライフ発明家のモーリー (@yusukemori87) 2018年10月22日
これは韓国・仁川大学のキム・スンキュ教授とGreenpeace East Asiaの共同研究グループが世界各国の39種類の食塩を対象に行った調査で、なんと9割の塩からマイクロプラスチックが検出されたということでした。
マイクロプラスチックとは
マイクロプラスチックとは5mm以下のプラスチックの粒子のこと。生産された時にもともとそのサイズだった一次マイクロプラスチックと、ペットボトルやレジ袋などプラ製品が紫外線等で劣化して粉々になったものを二次マイクロプラスチックといいます。
画像;いらすとや
このマイクロプラスチックがいま新たな「汚染源」として懸念されています。
Contents
マイクロプラスチックの発生源
発生源は工業的排出物や私たちの生活から。ペットボトルやビニール製品がマイクロプラスチックとなるのは容易に想像がつくでしょう。
それ以外にもあっと驚く発生源がありましたので一部紹介します。
洗顔料や歯磨き粉,ボディシャンプー
これらのケア商品には、角質を落とすためにプラスチック製のマイクロビーズやマイクロカプセルがよく使われます。ああ、あの歯磨き粉のブツブツってプラスチックだったのね。ぎゃー!
関連;花王が脱マイクロビーズ!海がプラスチックでいっぱいになる前に(後編)
車のタイヤ
車屋さんにメンテナンスに行くと「森さん、タイヤすり減ってるんで交換しときましょうか?」と言われることがあって、今まで特に気にもとめなかったんですが。
すり減ってるということは環境中にタイヤ粒子をばら撒いちゃってるってことなんですよね。
化学繊維の衣服
繊維状のマイクロプラスチックはマイクロプラスチックファイバーと呼ばれます。
マイクロプラスチックファイバーは,服を洗濯/乾燥するときにも発生。フリースなど化学繊維の衣服は大きな発生源となっています。
また、食器を洗う時のアクリルたわし、シンクなどの垢落としに使うメラミンスポンジなどもマイクロプラスチックファイバーの発生源です。
アクリルたわしって洗剤いらずでecoなイメージだっただけにちょっと考えてしまうところです。
タバコ
タバコのフィルターはセルロースを原料にした半合成繊維。石油由来ではないのですが分解されにくいという点ではプラスチックと同様です。さらにフィルターにはヒ素, 鉛, ニコチンのような有害物質をはじめ、7000種類以上の有害物質が含まれています。マイクロプラスチックと有害物質を同時に海洋に放出する行為なので、喫煙者のみなさん、吸うのはいいけど後始末はちゃんとしてね。
摂取したらどうなる?懸念される健康被害は?
有害物質を吸着しやすい性質
マイクロプラスチックは油に溶けやすい有害物質(PCBなど)を吸着させる特徴を持っていて、最大で100万倍に濃縮させるという研究結果も出ています(東京農工大学 高田秀重教授)。たんなるプラスチックゴミじゃなくて、有害な化学物質を運んでしまうという特徴があるのです。
生物濃縮される
画像引用;yumenavi
水俣病に代表される重金属の生体濃縮と同様、マイクロプラスチックも生体濃縮されます。いちばん高濃度な状態で人間が口にするわけです。
水俣病発生後チッソ工場の排水が原因と国が認定するまで12年かかりました。大事なことは、事実がわかるころには被害が拡大している、ということ。
現段階では人体への影響については不確か
アメリカではメダカに有害物質が付着したプラスチックを食べさせるという実験が行われました。それを3か月食べさせ続けると、肝臓に腫瘍、あるいは肝機能障害が起こるというようなことが、この実験から報告されています。
「このサイズのプラスチックは(便で)出ていってしまうし、有害化学物質はくっついているが、量は少ないので現時点では問題にならない量だと思う。この魚を食べるのを控える必要はまったくないと考えている。私も食べています。」
「(有害化学物質の)濃度が高い場合の話になるが、発がん性があり、生殖能力の低下、免疫力の低下が起きることが指摘されている。」
ー東京農工大学 高田秀重教授(引用;NEWS WATCH9)
各企業/各国のプラスチック削減への取り組み
日本ではこの話題はまだまだ普及してませんが世界では60ヵ国が使い捨てプラの生産禁止や課税制をとるなどかなり真剣にこの問題に取り組みつつあります。
フランスではプラスチック製使い捨て容器や食器を禁止する法律が2020年に施行されることが決まっています(参考)。
また、民間企業でもプラスチックストローの使用をやめるなどのムーブメントが起きています。
パスタでストローの代用;画像yahooニュース
プラスチックを「減らす」という取り組みがどんどん盛り上がる中で海中のプラスチックを「回収する」というアプローチでこの問題に取り組む人たちもいます。
シービン(Seabin)というこの商品。
1日に1.5キロのごみ片を取り除くことができ、中のネットは最大で20キロまで回収することができます。シービン1つで毎年半トンの海ごみを取り除けると見積もられており、これはペットボトル16,500本、レジ袋90,000枚に相当する量です。
この問題がさらに深刻化する前に打つべき手を打っていかなければなりません。
いや、もうすでに取り返しのつかないくらい深刻化しているのかもしれませんがー。
引用;gigazine/世界中の「食塩」ブランドの9割でマイクロプラスチックが発見される