どうも、モーリーです。
実は来月アタマに上勝町に視察に行こうと考えています。上勝町と聞いてピンと来ない方も多いかと思います。
徳島の、「葉っぱビジネス」のとこ。と言えば「あーあそこね!」とわかってくれる方が多いのですが、僕にとっては葉っぱのことよりも上勝町のある取り組みにすごく惹かれています。
その取り組みとは、「ゼロウェイストタウン上勝」というもの。
ゼロ・ウェイストとは、
ごみゼロ(出てきた廃棄物をどう処理するか)ではなく、
そもそもごみを出さないという考え方です。「焼却・埋め立て・何でもリサイクル」がもたらしたものは、
資源の無駄遣いと有害物質による健康被害と水質汚染など
環境への悪影響でした。
ゼロ・ウェイストは、そんな社会の仕組み自体を変えていこうとするものです。
出てきた廃棄物をどうするか、ではなくそもそもゴミを出さない。
それがゼロウェイスト運動。う〜ん素敵!
それでは実際に上勝町ではどのようなシステムが採用されているのかを見ていきます!
ゴミ収集車が走らない町
なんと上勝町、ごみ収集車がごみを回収に来てくれません。自分で、ゴミ処理場に持ち込むのです
他の地域から上勝町に来られた方がまず驚くのは、ごみの収集車が走っていないということです。
ではどうするのかというと、町内で一ヶ所のごみ集積場「ごみステーション」に自分で持って行きます。
このごみステーションは基本的に年中無休で、「今日はごみステーションが閉まっているからごみを持って行けない」ということはありません。
毎日午前7時半から午後2時まで、年末年始の数日間を除いて、自分の都合がいい時にごみを持ち込むことができます。
自分の出したものには最後まで責任を持つ。僕はそれが世界の歪みを直すプロセスでいちばん大切なことだと思います。
ごみの分別は日本最多の34種類!
ゼロウェイストの真髄はここにあります。
つまり、資源化できるものをとことんリサイクル!
資源化できる物を資源化にするため、分別が必要です。
確かに手間が必要になりますが、その分、雇用の確保ができます。
高額な焼却施設を建てて、人件費を削減するよりも、人件費にお金をかけて、リサイクル事業収入を得る方がよっぽど健全でしょう。
そして、分別の雇用ができれば、住民側が行う分別もさほど必要なくなり、住民の負担が減ります。引用;くるくるweb
シルバー人材センターから派遣されてきた方などがごみステーションにいて、分別を手伝ってくれるそうです。分別の仕方ってよくわからないし近くに教えてくれる人がいたら安心ですね。
(こんな風に、分別された資源が次にどのようなモノに再利用されるかまで書いてあるのでリサイクルしがいがありますね!)
また、このゴミステーションには家庭の「生ゴミ」を捨てる場所はありません。
生ごみはどうしているのかというと、それぞれが自分の家で堆肥にしたり、あるいは土に還したりしています。
そのための設備や機械が、上勝町のほぼ100%の家庭に普及していて、日常の生ごみを自然に還すことを進めています。
「その機械は高いのでは?」という声がありそうですが、この機械を購入するためには町からの補助があり、各世帯1万円の自己負担で購入することができます。引用;くるくるweb
ぼくのイチオシの「自然にカエル(手動式)」も約半額で購入できるってことか…!
上勝町のいわゆるごみステーションは「日比ヶ谷ごみステーション」1 ヶ所のみです。
年末年始以外ほぼ毎日排出が可能であり、収集日に束縛されることなく、自分のペースでごみを持ち込むことができます。
くるくるショップ併設!
こりゃ画期的だわい!
日比ヶ谷ゴミステーションの中に、リユース推進拠点である「くるくるショップ」を併設しています。
そこでは、町民が「不要になったけど、まだまだ使える物」を持ち込み、使い捨てるのではなく、モノを大事にする気持ちを活かしてあげられる場所となっています。
そして、持ち込まれた物は、きれいにディスプレイされ、もう一回使ってもらえる人の元へ旅立っていきます。
持ち帰りは、町外の方でも誰でも無料で利用できるようになっており、月平均100kg以上の物がリユースされています。引用;くるくるweb
この「くるくるショップ」が僕の一番惹かれたポイント。
さながらリサイクルショップのようだけれど、「無料で」「誰でも」持って帰れるのです。※持ち込みは住民のみ
お目当てのモノが見つかったら、持ち帰るモノの重さを計り、記入します。
このトータルの重さで「◯kgのゴミをなくした」というのがわかります。くるくるショップで月100kg以上のごみが減量されてるんですって。
とはいえ、くるくるショップ”的な”仕組みって結構多くの市町村で取り入れられているそう。
じゃあ何がこの上勝のくるくるショップの最大の利点なのか。熊本学園大学の藤本さんは以下のように述べています。
上勝町の「くるくるショップ」における最大の特徴は、その設置場所が日比ヶ谷ごみステーションであるとい うこと、即ち「設置場所が排出場所と同一」という点にある。これは、町民にとって「ごみを捨てる」という行為と「く るくるショップに出す」(=リユースに回す)および「くるくるショップから持ち帰る」(=リユース品を利用する)と いう行為は同一線上にあり、多くの市町村のように、リユースのシステムを利用するための特別な行為を要しないとい うことを意味する。
ゴミステーションと併設、というのが大きなポイントのようですね。
どうしてこうなった?ゼロウェイストの背景
多分別収集を開始したのは 1998 年のことであり、それまでは町内の「日比ヶ谷焼却場」において露天での焼却処分が 続いていた。1990 年代に入って、そのような状況を問題視する意識が町役場内に広がり、1992 年には「ごみ処理プロジェクト」と題した自主勉強会が立ち上がっている。さらに、1994年には町による「リサイクルタウン計画」が策定さ れ、1998 年には町内の日比ヶ谷地区に焼却炉が新設されて、野焼き状態は解消された。 ところが、折からのダイオキシン規制強化を受けて、新設された焼却炉は使用停止を余儀なくされた。炉を改築・再 新設する予算を持たなかった上勝町は、処理量の大幅な削減を実現することによって問題に対応することとし、多分別 による家庭系ごみの回収(当初 22 分別。その後 35 分別、34 分別と変遷)を実施、資源化率を飛躍的に向上させるこ とに成功した。さらに、グリーンピースジャパンによる「ゼロ・ウェイストキャンペーン」の一環として開催されたポ ール・コネット氏の講演会をきっかけにして、「2020 年までに焼却・埋め立て処分をなくす最善の努力をします」とし た「ゼロ・ウェイスト宣言」を 2003 年に行っている。さらに 2005 年には NPO 法人「ゼロ・ウェイストアカデミー」 を設立させ、中間処理施設の管理運営をゼロ・ウェイストアカデミーに委託、ゼロ・ウェイストにかかわる取り組みの中心的役割を担わせている
つまり、
もともと焼却場での野焼き
→焼却炉新設
→ダイオキシン規制で使用停止
→ごみ処理場最新設する予算ない
→「ごみ出さないまちづくりしたらいいじゃん!」
っていう、とっても建設的な流れ。
ついでに言うと、もともと「焼却場での野焼き」が行われていたのが今のゴミステーションと同じ「日比ケ谷」という場所。住民はもともと「ゴミは日比ケ谷に持っていくモノ」という認識があったそう。なので実はゴミ収集車も「辞めた」わけではなく、もともとなかったんですね〜。そういった背景もあり、この活動が実現できたのかもしれません。
上勝に視察に行こう
中間処理施設の管理運営をNPOゼロウェイストアカデミーが担っています。
NPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーの事務局長・藤井園苗さんはいまとっても会いたい人。
今度の視察でお会いできるかなー。ご縁があるといいなぁ。
上勝町には今、「視察」を目的に、年間2500〜2600人が国内外から訪れるのだそう。海外からの視察もあるみたいですよ。すごい!!
視察もちゃんと「サービス化」してあって、以下のリンクからフォームに記入して申し込みます。ひとり¥2000で3箇所まで視察させてくれるそうですよ。
http://www.k-pangaea.com/inspection/#app
こうやって視察がサービス化され値段もはっきりしてると行きやすいですねぇ。
きになる方はぜひ視察に行ってみて!
上勝のことがわかるリンク
- 動画
- ゼロウェイストアカデミー(facebook page)
- ゼロウェイストアカデミーくるくるweb
- こんなまちに引っ越したい!「ゼロ・ウェイスト宣言」をして徹底的なごみの分別・リユース・リサイクルを目指したら、住民同士がつながり、暮らしやすいまちになった徳島県上勝町の話
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もしかしたら世界を変えられるかもしれないーーゼロ・ウェイストに取り組む上勝町の小さなカフェ「cafe polestar」東輝実さんインタビュー