どうも、モーリーです。
昨日はZEHの本をレビューして断熱について詳しく解説しました。今日はその「電力の自給」パートです。
ZEHハウスって何?「研究者が本気で建てた ゼロエネルギー住宅」を読んで勉強した内容をシェアZEH=電力自給ではない
ZEH(ゼロエネルギーハウス)という名前を聞くと電力を自給している家なのかな?
バッテリーがたくさん入っているのかな?と想像してしまいますがそれ勘違いです。
実はZEHはnetゼロエネルギーハウスの略称で、年間のエネルギー収支が0ないしプラスになる家、という意味だったのです。
売電も含む発電量が年間消費量を上回る、というのがZEHの定義。
逆にバッテリーを導入して、完全に電力を自給する家というのはREAL ZEHというそうです。
「完全自給」は発電の無駄が多い
和歌山の「ゲストハウスikkyu」時代から続く電力自給の生活。
その中で僕も常々「無駄だなぁ」と思うことがありました。
そう、完全自給・完全オフグリッドを目指したシステムは「雨が3日続いてもいい」というシステムを組んでいるので1日の電気使用量×3くらいの容量のバッテリーが必要になります。
これだけの容量が本当に必要になるのって年に10日もあるかどうかって感じです。
そんな、年10日程度の雨続きの日のための保険としてのバッテリー。
そのための初期投資ももったいないし、何より発電量についても使いきれずもったいない。
著者もこのことについては厳しく批判しています。
大きな蓄電池を入れれば自分自身が使う電気の自給率は高まるので本人の満足度は高まるが、社会全体としてはどうでしょう。蓄電池に多大な投資をしたのに、使えない電気を残し、充放電ロスを発生させ社会全体のエネルギー自給率にとってマイナスである
最適な蓄電量は?
オフグリッドには批判的な三浦著者でしたが、ご自身の電力消費量を元に「どれくらいの蓄電池を入れるのが最も効率がいいのか」を試算しています。
このデータが僕にとっていちばんの収穫でありこのブログ記事の本題でもあります。
これは…結構核心をついたデータなのではないか?!
電力自給するなら蓄電池は5kWhがベストってことです。そして電力が足りなくなったら電力会社に自動切り替え。そんなシステムがいちばん効率がいいってことですね。
以前動画にしましたがEFデルタPRO(3.6kWh)で作ったオフグリッドシステムは結構いい線行ってるのではないでしょうか。
蓄電池は5kWhくらいがちょうどいい。
いや〜これ知りたかったデータだわぁ。試算してくれてありがたい。
しかし著者は「5kWhの蓄電池でも100万円くらいするので」として
蓄電池を買うより電気自動車。日産リーフ40kWh 330万円。
住宅用蓄電池は5kWhでも100万円を超える。蓄電池の高さを考えたらリーフは格安。リーフto ホームというシステムもある。蓄電池購入したい人は電気自動車が最もコスパが良い
と言ってます。なるほど。蓄電池より電気自動車か。そういう考え方もあるんですね。
まとめ
家の電力自給率を高めようと思ったときに蓄電池5kWh程度まではシステム大きくする意味はあるけれど、それ以上のシステム強化は効率が悪くなるというのがこの記事のいちばん言いたいところでした。(三浦さんのこの意見の完全版のような記事がネット上にあったのでもっと深めたい方はこちらをお読みください。)
著者はそもそもオフグリッドには批判的でしたね。「もし電線につながっていれば、余れば他の家で使ってもらうことができるのにそれができないのがオフグリッドなのです」と書かれていました。
実際に太陽光発電がこれだけ普及したことで昼間の火力発電量は削減できているそうで、売電も社会的に意味があったのねと僕は初めて認識しました。
三浦さんはZEHが社会としてどう役割を果たすのか、という部分が重要だと考えているようで本の大部分が社会全体を視点とする話でした。
いやぁ、オフグリッド脳だった私にとって色々と参考になる本でした。