こんにちはモーリーです。タイトル、上から目線でごめんなさい…。
先日、廃材天国秋山陣さんの義理の弟である清水さんにHPの制作をご依頼いただき舞鶴のご自宅まで伺ったのですが。そのご自宅にですね、ATO(エーテーオー)の薪ボイラーが設置してありまして。
もう、薪ボイラーといえばコレ!という、国内代表作と言っても過言ではない製品です。
一泊させていただいたのでそのボイラーもちょっと使わせてもらいました。
コレ、普通に買うと諸々合わせて60万円くらいするんですよ。
高いなぁ…と思ってました。実物を見るまでは。
今はどう思うか。安いです。これだけの性能で60万円なら全然「アリ」です。これから薪ボイラーを作る人間として悔しさすら覚えました。
今日はそのATOの薪ボイラーの仕組みを詳しくみていきたいと思います。
熱を逃さないジャケット二重構造
これ本当に驚いたし感動したんですけど、200Lの水の温度が10分で約10度も上昇するんですよ。
20度の水を80度にするのに約1時間て…。コレ、日常的に薪ボイラーを使ってる人でないとピンと来ないかもしれませんが、マジでやばい性能です。多分僕の薪ボイラーはこの2.5倍はかかります。
この差は何か。
それは燃焼室側面もタンクになっている「ジャケット二重構造」がこの熱効率を実現していると思われます。
この絵だけではわかりづらいかもしれませんが、要は焚き口(薪を突っ込む面)と燃焼室底面以外は全部水で覆われているのです。薪が燃えるエネルギーをほぼ逃すことなくお湯の温度上昇に変換できる構造です。こりゃ、沸くの速いわけですな。
一方僕の薪ボイラーはどうか。
タンク底面とタンク内を貫通する煙突からしか熱を吸収しません。燃焼室側面のコンクリートブロックへの熱はほとんど外へ逃げて排熱されてしまいます(※室内に設置した場合その排熱は空間を温める、という利点もあるんだよ)。
これが、温度上昇の速度の差かぁ〜…。
ATOは薪の消費量も少ないので本当に優秀です。
あると便利なブロワー機能
この薪ボイラーには着火の時に空気を送る電動ブロワが付いています。これによって着火がスムーズになり、着火時の煙の量も気にならないレベルになります。
オプションで石油燃料との併用も可能になるそうです。
資源の省エネも素晴らしいですが人間の手間も省エネできますね。
「元が取れる」
これを実際に使用している清水さんに色々聞いたのですがこれは本当に優秀だと言ってました。
実際に焚くところを見させてもらいましたが「えっ、200L沸かすのに薪の量これだけ?」って感じです。もう、省エネレベルは半端ないです。
清水さん曰く、60万の初期投資はかかるけどこれはいつか元が取れる、と本当に満足しているといった顔で言ってたのが印象的でした。
給湯ってものすごく大きなエネルギーを使います。ガス、石油、電気、色々な給湯手段がありますがその月々の「給湯」にかかる金額を考えるとたしかにいつかは元がとれそうです。さらにこの手間の少なさですから日々の作業も苦にならない。
1日見ただけですが僕にも「このボイラーは安い」と思えました。もう、完全リスペクト。敗北感も同時に。
出張から今熊野に戻った。
お風呂に入りたくてボイラーを炊き始める。今回クライアントさん宅で見せてもらったエーテーオーの薪ボイラーがヤバいくらい性能がよくて、ちょっと自信を失いかけてる…。
実験を重ねて改良してくしかない。 pic.twitter.com/kk8RAtpR8D
— モーリー (@yusukemori87) July 24, 2019
まあ、とはいえ僕みたいな人には薪ボイラーに60万円も投資できないし、たぶん農的な暮らしをしている人はみんなそんなに経済的余裕はないはずだから安い薪ボイラーを作る意味はあると思ってる。高性能じゃなくてもいいじゃない。ある程度のクオリティで、そこそこの価格。これが僕のやりたいものづくり。そんなわけで悔しさも覚えたし、色々参考にもなったけれど僕は僕のものづくりを進めていくだけです。
いやー勉強になりました!