「環境のために再利用」っていうのは難しい問題で、再利用のために人間の労力がかかるし、実はエネルギーも投入される。
バイオディーゼルを頑張っている高島の @shota_3rd 氏が教えてくれたけど廃油をバイオディーゼルにするために多大なエネルギーと薬剤を投入していてこれは本当にエコなのかという— モーリー@ecoばか/コンポストトイレ販売中 (@yusukemori87) May 12, 2022
そんな悩みを打ち明けてくれた。食品廃油はもともとゴミ焼却の際に補助剤として使われているので実は無駄にはされてない(贅沢使いだが)資源なんだそうで、それをあえてエネルギー投入してバイオディーゼルに蘇らせる意味とは、、、みたいな部分。いや、意味はあると思うけどその悩みもわかるなぁ
— モーリー@ecoばか/コンポストトイレ販売中 (@yusukemori87) May 12, 2022
批判を恐れず言うと、再生産できるものは再資源化にこだわらず燃やしちゃってもいいのかもね、とは思う。 @kazu4105 氏のプラスチック再資源化の話を聞くと分別がえらく大変そうだった。再資源化という「実用性」を重視した方向性もいいけれどあやお @ayaogomi 氏のようなアートの方向性もいいよなぁ。
— モーリー@ecoばか/コンポストトイレ販売中 (@yusukemori87) May 12, 2022
と、今家のゴミと対峙しながら考えましたとさ。ゴミ処理場に持っていくのが手っ取り早いのだけれどどうしよう。再利用のために手を加えて服の山を雑巾にしてもいいけれど雑巾なんて「買ったほうが安い」んだよなぁ
— モーリー@ecoばか/コンポストトイレ販売中 (@yusukemori87) May 12, 2022
未来を蝕む呪いの言葉「買った方が安い」
これはあんまり使いたくないけど、膨大なゴミの山を前にするとやむを得ない。再利用されることなく多くの資源を燃やします。合掌。— モーリー@ecoばか/コンポストトイレ販売中 (@yusukemori87) May 12, 2022
バイオディーゼルの魅力
去年の冬のことになるけれど、滋賀県高島でバイオディーゼル事業を始めた橋本さんを訪ねました。橋本さんは僕より若くて(!)たしか3児のパパ。代々町のガス会社をされてきて、橋本さんの代で3代目になるそう。
新事業としてバイオディーゼルを3年前に始めたとのこと。バイオディーゼルっていうのは廃食油を「処理」してディーゼルエンジンの燃料に変えたもの。そうです、多くの自給自足民にとって最大のハードルである「ガソリンの自給」の夢が叶う技術なのですよ!!!
バイオディーゼル燃料だけで世界一周を成し遂げた山田周生さん。こんな人もいるんです。toyota.jp
リサイクルの実情
しかし橋本さんにお話を聞いていると、かなり悩みながらこの事業に取り組まれているというのがわかりました。
もともとは「バイオディーゼルは化石燃料の削減につながる。環境にやさしい事業だ」というスタンスで始めた事業。しかし実際に廃食油を「処理」しているとその信念が揺らいできたそう。なぜなら廃食油の処理には多くの電力を使います。さらにメタノールという薬剤を投下しなければなりません。
日々、廃食油に向き合ううちにリサイクルというものは本当にエコなのだろうかという疑念が生じたそう。
また、廃食油はもともと回収されたあと「補助燃料」としてゴミ処理場などで使用されるという用途があるそうで「用途があるのにわざわざ薬剤で『処理』してエネルギーをかけてリサイクルってちょっとやってることの意味に自信がもてなくなったんです」的なことを言ってました。
これは…自分も同じ悩みにハマる危険性大。
実は僕もバイオディーゼル事業をやってみたいなと思ったのもあって、橋本さんの元へ視察に行ったのです。しかし話を聞いてみてなるほど、ちょっと自分は引いておこう、と考えを改めるのでありました…。
バイオディーゼルの事業性
とはいえ昨今のSDGs的にはかなり大注目されるはずの事業だと思うしなにより原油高騰がとどまるところを知らないご時世なのではっきり言ってビジネスチャンスではあると思う。メイン材料の廃食油はいつの時代も0円ですからね。経済的に儲かるし何よりこの激動の時代で「自分はいつでも燃料を確保できる」というのが大きな安心材料ですよね。
最近陰謀論経由ですが妻が僕のecoばか活動に共感を示すようになり、「食糧危機がくるよ」とざわついているのですが(笑)バイオディーゼルめっちゃいいよねと言い始めました。僕の妻くらいの非変態な一般ピーポーでさえもバイオディーゼルに注目し始めているので相当な波が来てるのでは?と思います。
去年の冬時点ではバイオディーゼルをリッター120円で販売していると橋本さんは言ってましたが当時軽油が135円くらいでした。ユーザーからすると軽油より安くて環境負荷が少ない。これは、選ばれるでしょー!
色々と苦悩はあるかもしれないけれど、僕は社会的に意義のある、素晴らしいビジネスだと思います。
ちなみに原材料費も教えてもらったのですが原価で32円くらい(うちメタノールが17円)。そこに電気代や人件費、それから消耗品や機械の減価償却なども乗っかるという感じでこの業界全体が「120円より安くはできない」というラインのようです。
いやぁ、色々と聞けて学びが多かったです。
事業者数の最適な密度
僕がバイオディーゼル事業をすんなりあきらめたのはもう一つ理由があって、僕が住む七尾市にバイオディーゼルをやってる会社が既にあるんですよね。
橋本さんによると「各県にBDF事業者は1件か2件くらい。0のところもある。それくらいがちょうどいいのかも」ということでした。なぜなら県内にBDF業者がひしめいていたら油回収の争いが起きてしまうから。ああ、そういう密度感でやってらっしゃるのね、ということも初めて知ることができて私は身を引こうと思ったのでした。県に1〜2件くらいの密度感なのに僕の場合は同じ「市」になるわけですからね
ただ、廃食油をクリーンにする工程は面白そうだったし装置は温めて撹拌するだけっぽいので自分で作れそう。遊びでやってみたいなと思います。(壊れてもいいディーゼル車買わなきゃ)
まとめ
ということでバイオディーゼルをされている橋本さんを訪ねた時の体験記でした。バイオディーゼルという言葉すら知らなかった人も多いと思いますが一般の人も給油に行けるし配達もしてくれるそうですよ。僕もトラックに自作給油機積んで今度行ってみようと思います。
あ、橋本さんのところは取材として行ったので動画もそのうち編集したいなと思いつつ放置しています、、、そのうち、そのうち。橋本さんにはぜひバイオディーゼル事業を継続してもらっていつかブレイクしてほしなぁ