下水汚泥を肥料にする動きが世界中で高まっている!事例を紹介。

何気なく眺めていたタイムラインにある記事が飛び込んできた。

この記事の内容は福岡県福岡市の下水処理汚泥からリン酸を回収する、という趣旨のものだった。

結晶の正体は「再生リン」。窒素、カリウムと並ぶ化学肥料の3要素の一つのリン酸を、市民生活で出た下水から回収、抽出したものだ。市は博多湾の水質汚濁を防ぐため、1996年にリンの回収事業をスタート。さらに、国土交通省が開発した回収技術を今年4月に導入したことで回収量が15倍になり、年間に最大で150トンを見込めるようになった。

僕は思わず膝を打った。これはすごい!

ずっと昔から下水汚泥を肥料にするという動きはあって、でも重金属混入の問題等で汚泥を肥料化するのは取りやめになった、と何かの本で読んだことがある。その後すっかり衰退してしまったのかと思っていたのだけど、実はここにきて各地で汚泥肥料化の動きが高まっているみたい。以前の問題をクリアしたってことなんだろう。

あとロシアウクライナの戦争がかなり影響しているそうです。

佐賀県の事例。

神戸市の事例。ユニークすぎてくそ(糞)面白い。

フランスでは尿から肥料を作るベンチャー企業があるみたいですよ。

尿を肥料に変えるスタートアップの話。 「ワイン醸造業者は、ぶどうジュースにバクテリアを入れて変化させます。わたしたちがやっていることも同じです。違うのは、ぶどうジュースではなく尿を使っているという点だけなんです」

「ここで難しいのは、そもそも尿をどうやって手に入れるかだろう。現代のトイレは何もかも一緒に流してしまうので、大便と小便を分けられない。とはいえ、Toopiの計画には必ずしも大便と小便を分離するトイレを増やす必要があるわけではない。男性用小便器から肥料用の尿を集めることもできるからだ」

「最も魅力的なのは、サッカーやラグビーのナショナルチームのホームスタジアムであるスタッド・ドゥ・フランスである。このスタジアムの収容人数は80,000人を超え、そのほとんどがおしっこをする。どれだけの量になるか考えてみてほしい。」

この事例も面白いなと思うけど、やっぱり下水汚泥を肥料化するのが一番理にかなっていると思う。

 

うんこがかつてどのように利用され、どう規制され、現在のうんこ事情はどうなっているのか?

をかなり学術的かつ面白くまとめた本がこちら。

僕の愛読書です。もう一回読もう。

追記。

下水汚泥は年間32万トンほど利用されているそうです。

また、世界の情勢的には下水汚泥利用に積極的なところと消極的なところが結構はっきり分かれています。日本でも「肥料取締法」で有害物質の許容値が定められています。

参考→https://www.mlit.go.jp/common/001280008.pdf