不用品のコミュニティスペース「くるくるショップ」は個人でもできる〜上勝だけじゃない不用品循環の実例

昨今のエシカルブームにちょっと小言を言いたくなって先日こんな記事を書きました。

本当のエシカルってなんだろうーそれは今あるものを大切に使い切ること

この記事の趣旨としては

昨今廃棄される素材を利活用した◯◯というエシカルな商品がブームになっているけれど本当にエコを目指すなら消費者としての最善の選択は「買わない(今あるものを使い続ける)こと」「人から譲ってもらったり中古のものを購入すること」である。

エシカルな新品って(たとえエシカルだとしても)エコじゃないよね!

エシカルな新品を買うより、リサイクルショップで購入する方が環境に対するインパクトは少ないと僕は思うわけです。

だから僕はリサイクルショップ大好き。特に徳島県上勝町の「くるくるショップ」についてはぜひみなさんに知っていただきたいと思い本日筆を執りました。

くるくるショップ、知ってますか?

くるくるショップとは

徳島県上勝町では「ゼロウェイストタウン」としてゴミを出さない様々な仕組みが実施されています。先進的かと言うとそうでもないかもしれませんが、本質的な環境活動だと僕は思います。知らない方にはぜひ下記リンクから上勝町の取り組みを知っていただきたいです。

ゴミをゼロにするってどゆこと!?ゼロウェイストタウン上勝町の挑戦をまとめてみたよ

僕は実際に現場に行って上勝がゴミを出さないための取り組みを見学してきたのですが、この中でもっとも感銘を受けたのが「くるくるショップ」です。

日比ヶ谷ゴミステーションの中に、リユース推進拠点である「くるくるショップ」を併設しています。
そこでは、町民が「不要になったけど、まだまだ使える物」を持ち込み、使い捨てるのではなく、モノを大事にする気持ちを活かしてあげられる場所となっています。
そして、持ち込まれた物は、きれいにディスプレイされ、もう一回使ってもらえる人の元へ旅立っていきます。
持ち帰りは、町外の方でも誰でも無料で利用できるようになっており、月平均100kg以上の物がリユースされています。

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引用;くるくるweb

不要なものを誰でも置いていくことができて、必要なものがあれば誰でも無料で持っていくことができる、不用品マッチングのコミュニティスペース。

この上勝でのくるくるショップの取り組みが非常にうまく行っている秘訣は、この場所が町民のゴミ持ち込み場と併設されているということ。ゴミを出すという日常の行為の延長に「くるくるに出す」という選択肢があり、そこに大きな抵抗(ハードル)がないのです。

そんなわけで多くの町民が利用して、月々100kgほどの「不用品」がレスキューされているのです。

持続可能なまちは小さく、美しい 上勝町の挑戦

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行政だからこそできる?そんなことはないよ!

ゴミ処理場と併設という特殊な立地、上勝という高い意識を持った住民。だからこそ「くるくる」が成り立っているのでは?と考えてしまいがちですが各地で「くるくる」と似たような取り組みが行われ、ゴミを減らすコミュニティが存在します。

淡路・ゲストハウス花野「どれでも100円」

淡路島にとっっっっってもピースフルでカオスでハッピーなゲストハウスがあります。

ゲストハウス花野さん。このゲストハウスでは飲食店やゲル、オフグリッドハウスやコンポストトイレ、DJブース、リサイクルスペースなど、もういろんなものが混在していてかつ調和がとれていて、この景色はもはや日本じゃないというか、不思議な空気感が漂うゲストハウスです。

「ゲストハウス花野」の画像検索結果

このゲストハウスのリサイクルスペースが「くるくる市」なのですが上勝と違って全て「100円」という値段で持って行けるような仕組みになっています。

この100円は、この場所を維持するための最低限の経費。「儲け」なんて全然ありません。それでも彼らがこの場所をくるくる市として解放するのは自身の儲けよりもゴミを減らしたいという思いに他なりません。このスタンス美しいなぁ

ゲストハウス花野
HP
フェイスブックページ
・住所兵庫県淡路市佐野1719-5
・電話0799-65-0807

色川集落の「ぐるぐるマーケット」

紀伊半島南部、移住者が人口400人のうち半分弱を占める山奥の集落「色川」。

ここでは多くの住民が有機栽培で農業に取り組み、自給的な生活を営みます。この集落の中心地(小学校付近)の誰もが目につく場所に「ぐるぐるマーケット」は存在します。

上勝のくるくる市のように、誰でも不用品を置いていき、無料で持っていくことのできる場所です。

この場所のすごいところは住民有志で運営されているということ。

小さな過疎集落でもこんなふうに運営できちゃう。素晴らしい!

【これから】ダイナミックラボのくるくるマーケット

テンダーさんのダイナミックラボの計画でも「くるくるショップ」が記載されていました。

僕が見にいった時はまだ実現されていませんでしたが、きっとそのうち!

テンダー氏のダイナミックラボに行ってきた!持続可能なものづくりラボってなんなのさ!
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まとめ;くるくるよ全国へ広まれ

今回紹介した事例のように、行政が動かなくとも、自分たちの意志でくるくるショップを始めることはじゅうぶん可能です。そして、商売という形でなくコミュニティスペースという形を取ることで優しく物質が循環していくという気がします。こんな拠点が全国各地に広がる未来を夢見ています。

お店の一角を、
ずっと使われていない空き家を、
自宅のガレージを、
倉庫の一部を。

こういった場所を地域の「くるくる」の拠点にしてみると物質だけでない、もっと大きなものが循環するコミュニティが形成されると僕は思うのです。

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