こんにちはモーリーです。
先日宿泊に来てくれた、いきもの大好きな女子二人(じょしふたり!)と話していた時のこと。
BBQをしながら環境のことやらを楽しく話していたのですが話題が「フードロス」になりました。
というのが、2人のうちのお一人が事前に「森さんにフードロスについて聞きたい!」と強く希望していたのでした。
お、とうとう来たな、と思って重い腰をあげるように僕は話し始めました。実はこのことについて何を話すか、とても頭を悩ませていたのです。
僕のフードロスへの挑戦の経歴
フードロス活動についての問い合わせや、アドバイスをください、という連絡がいまだにちょくちょくあります。
僕は学生時代にフードロスをなんとかしたいと思って活動をしていた人間です。
廃棄食材の路上販売から始まって、廃棄食材を使用したビュッフェ形式のレストラン、そして東北被災地での廃棄食材配布活動などをしてきました。
そういったこともあって、今もたまに廃棄食材についてのことを聞かれたりします。でも僕自身は東北被災地でのボランティア活動を終えてからはピタリとフードロス活動はやめてしまいました。この活動に対する違和感というか、迷いが生まれたからです。
それを表す言葉をその当時は持ち得ませんでしたが、そろそろ言語化してもいいかもと思い、わざわざ北海道から僕の話を聞きにきてくれるというこの機会にちょっと頭の中を整理してみました。
食料廃棄問題は「返し方」に集約される
食べ物は命そのもの。食べ物さえあれば救える命はたくさんあります。世界がもし100人の村だったら、20人もの人が栄養不足なのだそうです。
それでいて日本は食べ物を捨てている。しかもご存知のように自給した食べ物ではありません。
僕のフードロス活動のモチベーションはこの「命」がベースでした。食べ物が捨てられてるイコール誰かの命が無駄にされている、飢餓に苦しむ人がいるのにもったいない、という感覚。だからこの余剰分の食べ物はどうにかして人間が食べるべきだと思っていたのです。
でもフードロス問題の本質ってそこじゃないということに行き着きました。フードロス問題の本質、それは循環の断絶だと僕は考えています。土から得られた食料という有機物が、廃棄されて焼却処理されて灰(セメントの原料)となって大地を損なうものに姿を変えます。
土に返せば動物、虫、微生物のエサになり、大地を豊かにして、次なる食料生産の糧となります。これは循環の世界。一方では大地を損ない、もう一方では大地を豊かにする。フードロスは突き詰めると「返し方」の問題に集約されると最近は思うようになりました。
「残さないでください」って書いてある飲食店よりも、「食べ残しは土に返して肥料にするので好きなだけ残して大丈夫です」って書いてある方がうおおこの店すげえええってなる。まだ見たことはないけど。
— もーりー@ecoばか発明家 (@yusukemori87) 2018年9月1日
昔は「食べ残しは悪!」と断定していたけど今は上記ツイートのようなスタンスです。食べ残しは土に返せばいいし、鶏を飼ってる家は鶏にあげたらいい。我が家も子どもには食べれるところまででいいよって言って、残ったら生ゴミコンポストに入れたり近所の野良猫にあげています。
トイレうんこと食料廃棄は同罪
現状、多くのフードロスが焼却処分されている中で廃棄食材をいかした活動というのは評価されるべき活動だと思います。「フードバンク」という活動は廃棄される食材を生活困窮の方々に無料配布するというものです。最近では「こども食堂」での食材にそういった余剰食材が使用されていたりするそうです。これは本当に素晴らしいですね!
画像引用;ふくおか筑紫フードバンク
ただ僕としてはフードロスを本質的に解決したかったので一旦フードロスを「活かす」という活動から身を引いて「返し方」をじっくり考えてみることにしました。
そうしたら返し方の問題ってうんこも同じだなぁ、ということに行き着きました。
うんこも土に返せば大地を豊かにするものです。虫や微生物にとっては大ごちそうです。
これを焼却処分してセメントにしている。循環の断絶がここでも起きていました。
うんこをトイレに垂れ流すってことは食料を廃棄することと同じことなんですよ、宇宙目線から見れば。
廃棄食材は救出しよう!!って思える人がトイレにうんこを垂れ流す、その矛盾よ。
うんこも命だろう。いや逆か。食材だってただの有機物。うんこだってただの有機物。食べ物を「命」として奉りすぎるとよくないよ。だから廃棄食材活動って違和感があるんだよなぁ(自分もやってきたがゆえに)— もーりー@ecoばか発明家 (@yusukemori87) 2018年9月4日
食べ物を「命」として奉りすぎて本質を見失っていましたが、長年のフードロス活動を経て僕はようやく「食料廃棄とトイレうんこは同罪」という本質らしきものに行き当たりました。現在はうんこを土にお返しするための「コンポストトイレ」を製作・販売しています。
違和感を越えて
そうして僕はフードロスよりもうんこの方に目が向いて行ったわけですが、昨年熊野でも「フードロスレストラン」をイベントとしてやってみました。
あまったーる食堂、終了しました!久しぶりにやってみたらどんな感じなんだろう、という興味からやってみたのですがやっぱりやってることは本質的ではないし廃棄される食材は生活困窮の方にお配りした方がいいかもなんていう違和感はありつつも、「でもコレ、やらないよりはやった方がいいよね!」とおおらかな気持ちで自分の活動を肯定的に感じることができました。100%正解のものしか認めたくなかった若かりし頃の自分から、子どもが生まれたりなどこの数年間の心境の変化(成長ともいう)もあるのかなぁ、と自分のことながらこの微妙な変化が嬉しい。笑
なのでまた機会を見つけてフードロスレストラン「あまったーる食堂」に再チャレンジしたいと思います。
前回は大赤字だったので今度はちゃんと収益だすぞーぅ。
そういうわけでフードロスへの今の自分の思いを書いてみました。トイレ買ってね。