こんにちはモーリーです。僕が「オフグリッド」という概念と出会ったのは5年ほど前のこと。
京都で妻と暮らしていた時に気になる古本屋「世界文庫」に立ち寄った時にふと手にとった本がきっかけでした(京都は面白いお店が多かったなぁ)。
その本の名前は「人は100Wで生きられる」
311以降にずっとモヤモヤしていた僕の心はこの本で「これだ!」という明確な答えに出会ったのです。
それが、オフグリッドという概念、そして「千年持続学」でした。
この本の著者が今日紹介する高野雅夫先生、通称ダイズ先生です。
Contents
実践的すぎるオフグリッドの研究室
高野先生は名古屋大学の教授で環境学の研究室をお持ちです。
僕が高野先生の存在を知った頃は准教授だったような気がしますが、いつのまにか教授に昇格していました。
自然エネルギーの技術開発と普及を研究されているのですが、めちゃくちゃ実践的。
というのも学生自らが30W発電システムを作り、竹姿庵という小さな古民家を一軒まるっとオフグリッド工事したり、
さらには研究室の学生をしばらくそこに住まわせ、そのレポートを元に「人は30Wでも生きられる」という結論を導き、その研究を「人は100Wで生きられる ~だいず先生の自家発電「30W生活」~」という著書にわかりやすくまとめています。
プロジェクトの動画は以下をご覧ください。ちょっと見ただけでもかなりワクワクしちゃいました。
こんな研究室があると知ってたら大学院は名大に編入してたのにな…(今からでも遅くない??)
「千年持続学校」でオフグリッドな家づくり
高野先生は「ワークショップ」も度々開催していて、なんと、2013年にはオフグリッドな家を、木を切り出すところから建てるという壮大なワークショップを開催しました。
このワークショップは「千年持続学校」と呼ばれ、月に一度のワークショップで27名の受講生が集って家を作ったのだそうです。
「千年持続学校」とは、都会から山あいの過疎集落に移り住むためのノウハウを学べる学校で2011年に開校しました。
現在20代から60代、27名の受講生がいて、月1回、土・日曜に豊田市の旭地区に集まり、まずは自分たちで住む家を建てようという試みをしています。
受講料は5万円、生徒20人で100万円になり、そのお金を資材費にしてみんなで協力して家を建てています。
講師は地元の大工さんにボランティアで来て頂き、すべて手弁当でやっています。引用;Honda smile mission「千年持続学校の校長先生をリサーチせよ」より
やり方がお上手で、「あ〜そういうやり方なら誰も赤字を出さずに家が一軒建つのかぁ!」と個人的にすごく感嘆しました。
しかも、オフグリッドな家です!
この講座の工程は「千年持続学校のブログ」にて記録されています。
写真引用;「千年持続学校のブログ」
また、この講座の参加者の中からこの家に住みたいという人が現れて実際に生活し始めたのです!
参考→ブログ「宇宙(そら)のいえ」※現在は違う人が暮らし始めたそうです。
空き家再生で地方を元気に
高野先生は地方創生ということも研究の対象にされているそうで、移住促進や地方での取り組みなども研究されています。
その一環として、高野先生主導のもと、空き家再生プロジェクトを手がけました。
その名も「空き家・人生リフォーム塾」
2015年にはじまった「飯地・空き家と人生のリフォーム塾」は、みんなで建物をリフォームしたり、そのやり方を学ぶだけでなく、自分のライフスタイルやナリワイを見直しながら、田舎で新しい暮らしを始められるようなプログラムも組み込まれているのが特長。毎回1泊2日で作業をするので、「田舎暮らしがしたいな」という目的を持ったすてきな仲間に出会うこともできます。
写真引用;「おへまが」
ここでも、プロジェクトの先に誰かの「移住」というゴールが明確に設定されていて、実際に移住者が現れるというのがスゴイところ。
長期プログラムにすることでその土地への慣れ、そして愛着へと昇華していくのでしょう。
豊かさや働き方を提案-ミライの職業訓練校
田舎に移住したい、でも田舎でどうやって働くの?
やりたいことで生きていくためには?そんな「モヤモヤ」を深め、共感する仲間と出会い、「どう働くのか?」を探る場所です。
「決められた働き方に自分を合わせる」のが当たり前。そんな現代の生き方を問う。
「やりたいことだけやって暮らす」
「やるべきことだけやって暮らす」
「働くことが愛になる暮らし」
山里では雇われるでもなく起業でもない働き方・暮らし方への学びがあります。引用;おいでん山村センター
地方への移住を迷っている方の背中を押すこのプログラム。
仲間と出会える、というのは何よりの財産になりそうです。
お弟子さんの活躍〜西粟倉「元湯」井筒耕平さん
さてここまで高野先生の活動をまとめてみました。もちろんこれが全てではありません。
もっと詳しく知りたいという方はブログ「だいずせんせいの持続性学入門」を読んでみてください(^ ^)
さて、こんな実践的すぎる大学教授・高野先生のゼミですから、実社会で「持続性社会」へビジネスとしてチャレンジしている人も輩出しているそうです。
代表的なのは西粟倉・元湯で有名なsonraku(元・村楽エナジー)の井筒耕平さん。
閉鎖されていた西粟倉の温泉・元湯を村から委託を受け再生、薪ボイラーを導入して地域の木材を利用することで脱石油と地域の林業の再生に取り組んでいます。
【告知】高野先生が熊野にやってくる!
そんなわけで僕が「師匠」と勝手に慕っている高野先生ですが、熊野で講演会を開催してくれることになりましたー!
詳細は以下。
名古屋大学教授であり「人は100wで生きられる」著者である高野雅夫氏(通称ダイズ先生)をお招きして講演会を開催します!
オフグリッド/自家発電/持続可能性/地域活性/再生可能エネルギー/薪ボイラー/オルタナティブ/and more…
上記のキーワードにピンと来たら、ぜひ!
高野先生の活動は、後日詳しく記事にまとめます。参加費/無料
日程/6月15日17:30〜
場所/guesthouse ikkyu
駐車場/あり※ikkyu道向かいの川原に駐車してください◉講演会後に交流会を企画する予定(かも)
◉当日は高野先生の研究室の学生さんたちが泊まりますので一般の方の宿泊は不可となります。
講演会後は交流会も兼ねたバーベキュー(ジビエ肉!)をする予定です。
高野先生とじっくりお話しするのは初めてなので楽しみすぎるー!学生のお弟子さんたちも連れて来られるそうなので、わがikkyuのオフグリッドシステムのアドバイスをいただきたいところ。
最近ソーラー一辺倒でつまんないと思ってきたとこだったので何か面白い発電方法を教えてもらって、なんなら学生さんたちの実験場として使ってもらおうかと思ってます!
ピンと来た方、ぜひご参加くださいませー!