僕の家には最近、20代前半の若い人が多く訪ねてくる。まだ若いのに、と言うべきか驚くほど話が合うのでびっくりする。僕たち30代が十数年かけて学んだことを彼らはすでに「情報」として持っている。ここまでSNSや個人メディアが発達した恩恵はたしかにあったんだと思わされる。
じゃあ当然「選挙フェス」知ってるよね?と問いかけると皆ピンとこない顔をする。本当に皆知らない。それもそうか、、、だって選挙フェスって1回目は7年前、その次は4年前で彼らは有権者でなかったのだから。
だからウチにくる人には選挙フェスの動画をおすすめして半ば強制的に見せている。三宅洋平っていうすごい人がいたんだよって。
いまだに、いまだに僕は選挙フェスが大好きでBGM的に動画を流したりする。
言ってることも素晴らしいし、生演奏での曲を挟みながら、聴いてる人を飽きさせない。彼自身ミュージシャンで、さらに「応援演奏」でいろんなアーティストが集結して演奏してくれて本当にフェスのようだった。
そして音響などの機材はオフグリッドソーラー発電でやってるからたまにバッテリーが切れる。
笑えるし踊れるし痺れるし、泣ける。こんな伝説ともいえる選挙をリアルタイムで僕らは見ていて本当にすごい瞬間に立ち会えたのだと感じる。
2回目の立候補は、本当は出る気はなかったけど太郎さんに口説かれて、と裏話を聞いた。どうしても彼を国会に送りたくて僕も選挙期間中は多くの動画をシェアして広めた。僕の友人たちも動画をシェアしたんだけど、驚くべきは僕の地元の「マイルドヤンキー」と呼ぶべき「選挙無関心層」までもが動画をシェアしていたこと。「今回人生で初めて選挙いきます!」という宣言とともに。
そんなふうに幅広い層に声を届けた三宅洋平。けれど結果は落選だった。
その後の彼の動向を知っている人はもしかしたら少ないかもしれない。僕も全てを知っているわけではないけれど今三宅洋平は岡山の里山で薪を割ったり畑を耕したりして「パーマカルチャー的な」生活を送っている。そして三宅商店という、オーガニック/エシカル商品を扱うネットショップを経営している。それから犬式というバンドも復活させて曲作りもしている。
三宅洋平は政治を退いた。
もしかしたら「選挙フェス」に熱狂した人の多くはそのことで三宅洋平への関心が薄れたかもしれない。
でも僕が思うに、三宅洋平は国会でやりたかったこと(=国づくり、まつりごと)をそのまま田舎の里山でやってるように見える。彼は政治を退いたわけではない。そもそも政治って政治家だけのハナシか?そうじゃないだろ、みたいなことを選挙フェスで語っていたように思う。くわを振って畑を耕すことも「国づくり」であるし、エシカル商品を販売して消費動向を変えていくのもまつりごとなんだ。
世の中をよりよくしたい。それを里山から実践する。三宅洋平が田舎の1プレーヤーとなって何をするのか伺えるのは、もしかしたら「国会の三宅洋平」を見るより面白かったかも?
そして今回三宅商店は地域の小さなコンビニを引継ぎ、路面店を出すという決断をした。「持続可能なライフスタイル」とコンビニ経営という組み合わせがすでに面白いし、どんな商品を置いて、どう地域に波及していくのか。「オーガニック」と無縁な山崎パン大好きじーちゃんばーちゃんたちとどう混ざり合うのか?ひとつのロールモデル?壮大な実験?として非常に楽しみなところ。応援しています。クラウドファンディング、支援しました。僕は妻へのプレゼント用に藍染のシュシュを購入。ついでに野口のタネ(固定種)を購入しました。
コンポストトイレ作家 モーリー
Youtubeチャンネル「ecoばかクリエイション」