廃材天国流快適カマド製作

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四国に到着したのは早朝5時前のこと。そこから香川に向けて2時間走ります。道中、海沿いの朝焼けがあまりにも美しくて、地元で起きた大震災に心を痛めながらも、やっぱり地球は美しいと複雑な気持ちで涙のドライブ。

今回の会場に到着するともうみなさんで粘土を練っているところでした。写真のように粘土にわらを混ぜ混ぜして、お水をかけて足で踏み踏みします。

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今回の主催者の三好とうようさん。アーティストであり、保育園経営者であり、アフリカに住んだ経歴があり…ここでは書ききれないくらいの経験をお持ちで、とても面白い方でした

粘土を練り終えたらそれをサイレージ状にして加工しやすいように成形します。そうこうしているうちに少し遅れて秋山さん登場。きびきびとした動きで無駄がない。

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これはカマドの天板部分。この型枠どおりにベニヤをくり抜き、のちにガイドとして使います。

土台は主催者とうようさんが昨晩3時まで寝ずに頑張って作ったそう。目地にモルタルを塗っていきます。

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レンガでつくった土台。耐火レンガでなくてもいいとのこと。

土台にまず底板となる鉄板を固定します。ウィルダーという溶接の機械を今回はリースで借りてきての作業。溶接を生で見るのは初めて。

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次に焚き口部分の溶接。この扉部分がカパカパ開く構造も陣さんが板金屋にお願いしての加工。全て手作り!すごい。

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サイド部分の取り付け。

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たった二箇所の溶接でもう支えは不要。

溶接あとはこんな感じ。この一点の溶接だけでも、重い鉄板が固定できちゃうからすごい。

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見える部分はこれをディスクグラインダーで研磨します。

うしろ部分の溶接。

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天板が乗る部分をつくる。まずは裏返しで作って、あとでひっくり返します。

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ここでちょっとトラブル。土台が水平じゃなかったみたいでこのままだと底板の鉄板が歪んでくるので浮いてる部分にモルタルと植木鉢の破片を詰め込み水平をだす。これが、廃材天国流。

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ここでいったん午前の作業は終了。一同うどん屋へ。さすが香川!大変美味でございました。

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さて午前中はおおかたの枠が整ったので、ここに朝練った粘土を投入していきます。

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煙の通り道を意識しながら。サイレージとサイレージのすきまをなくすためにペチペチたたいたりして結構力のいる作業です。ぼくは素手で拳でがんがんやってたら流血してしまいました(弱っちぃぜ…)

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朝切り抜いたガイドはこのとき使うものでした。なるほどー!

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粘土の投入もおおかた終わり、いよいよ天板がのります。天板自体が歪みがあったようで「川西さん、ちょっと乗って!」「OK、いい感じ」ぴたりとおさまったところで溶接したらもう隙間はありません。

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鉄板焼き用のプレートも無事に乗せ、ほぼ完成!

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最後は雨じまい。耐火コーキングで。こんなんで雨漏り防げるの?と思うけれど実際に秋山さんはこの方法で雨漏りなし。

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これでまたひとつ、日本に快適かまどが増えました。いいなあ。ぼくも、ゲストハウスに早く取り入れたいなあ。

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今回のかまど製作の舞台は香川県綾川市にある「あさのみ保育園」でした。

なんとこちらの建物も秋山さんが建てられたという廃材建築。すごくおしゃれだし、完成度めっちゃ高いです。広いウッドデッキで子供達が走り回るのが目に浮かびます。庭には鳥がいて、ヤギが4頭。近くに池があり、山もあり。こんな素敵な環境と建築物のなかで子供達がのびのびと育っていく。

ああ、香川素敵。ちょっと心が揺らぎそうになりました(笑)いやいや、ようやく熊野で根を張ってきたところなのでしばらく熊野で頑張ります。