徳島県にある「アースシップMIMA」を見学してきた。
アースシップとは、廃材を使って建てられたオフグリッドな家。廃タイヤを積み上げて作られた家は断熱性能が高く年中冷暖房要らず。太陽光エネルギーを蓄電して電力や熱エネルギーをまかなっている。そして、なんと言ってもアースシップはこの曲線の美しい見た目が特徴的。
友人のポールさんに前から誘われていたのだけど
モーリー
と言ってこの夏にとうとう見学ツアーが実現したというわけ。
で、最初から結論を言うと「めっちゃ暑かった」んだよね。やっぱそうか、という感じ。
お邪魔した全員が汗ばんでた。
アースシップの構造は南向きに面したガラス温室部分と半分地下に埋め込まれた地中部分がある。
で、ガラス張りの温室部分はやはりどうしても暑かった。
奥の半地下部分はひんやり涼しくて確かにエアコンなしでも過ごせそうな室温をキープしていた。体感としては25度くらいであった。
冬についてはどうですかと尋ねると、半地下部分は18度をキープ、ガラス張り温室は13度まで冷えるのでガラス部屋だけは練炭コンロで暖を取っているとのことだった。18度も僕にとっては結構寒いので暖房が欲しくなる室温である。
「年中21度キープ」「冷暖房いらず」という触れ込みの現実はこれであった。さらに湿気対策が考慮されておらず主人は湿気に苦しんでいた。僕が施主ならマイケルさん(アースシップ提唱者でありこの場所の施工者)にブチギレるところだ。話が違う、と。
セルフビルドで作ってみてこの結果なら笑えるだろう。しかしこのアースシップは立派な豪邸が建つくらいの費用がかかっている。ちょっと施主さんには同情してしまう。マイケルさんにあまりにも搾り取られすぎてやしないか。
最近ではZEHという建築が増えていて、主流になっている。断熱性能が非常に高く、冷暖房に費やすエネルギーが少なくてすむ。さらにそのエネルギーもZEHでは自家発電していて、年間エネルギー収支プラスな家だ。
ZEHハウスでは真冬の山形でも暖房なしで室温19度をキープできると三浦氏の著書に記してあった。それを2000万円台で建てることができ、しかも国の補助金(55万円〜112万円)が受けられる。
アースシップは絵本に出てくるような家で確かに魅力的だ。ただし機能面については「一般住宅」がもうそのレベルに追いつき、追い越そうとしている。高いお金を払って建ててもらうものではないと僕は感じた。
しかし雨水利用から排水に至る無駄のない導線、地中パイプによる天然エアコンなど学ぶところは大いにあった。ぜひ徳島のアースシップMIMAを見学に行ってみてほしい。視察プログラムは1万円〜、宿泊は2名で3万円とのこと。
参考 アースシップMIMA