コンポストトイレRELIFEの特徴を解説します!(2024ver.)

前回の記事ではコンポストトイレを自作する人向けに記事を書きました。

コンポストトイレの作り方と考え方

コンポストトイレって何?ってところがわからない方はぜひ前回の記事からお読みください。

今回は私が商品として販売しているコンポストトイレの特徴をお伝えできればと思います。

電気と水を使わない!

まず、弊社のトイレの特徴として電気も水も使いません。(厳密にいうと水は少しだけある方がいいです)

え、流さないの?!どゆこと!?

→微生物が処理してくれるんです(のちほど詳しく)

また、もう一つの特徴としてすべての機能がひとつの箱に収まっているので設置に工事が不要です。

大事なことなのでもう一度言いますが、工事が不要で、ただ置くだけで設置完了します。

インフラが全く来てなくても、平らな床さえあればどんなところにも設置可能です。

たとえ、水や電気のない山奥の集落でも設置可能。

テントひとつあればすぐにトイレ空間が作れてしまいます。

処理能力は?

電気も水も使わないったって、災害用トイレみたいに毎回処理が面倒なんじゃないの?とか

こんな小さな箱一台じゃ大した処理能力ないでしょ、とかって、思うじゃないですか。

まず、処理能力について。

これまでのユーザーに聞いてみたところ一人使用の場合、多くの人が6ヶ月ほど中身を交換せずに連続で使用できたということでした。

ちなみに私は1年以上中身を交換せず使用することができましたよ。

その間はずっとメンテナンスフリーってことです!

微生物が日々うんこを分解してくれるからです。

これ、結構な処理能力じゃないですか?

そして事後処理について。

トイレしたあとは

・【尿】ほんの少量の水でさっと流す(50〜100mlくらい)
・【大】撹拌レバーを10~20回まわす。うんちの飛沫が付着したらウェットティッシュで拭き取る。

処理はこれだけです。

ボタンひとつの水洗トイレに比べたらそりゃ手間はありますけど、1分もあれば終わるのでそれほど大した手間ではないです。

大小分離式

電気も水も使わない。かつ、パワフルな処理能力。

これを実現するいちばんの要となるのは大小分離構造です。

一般的にコンポストトイレというものは基材(微生物をたくさん含んだ資材)をあらかじめ容器に入れておきます。

そこに、排泄物を産み落としてかき混ぜる(基材を被せる)というのが基本パターン。

この基材の水分量がある定率を超えてしてしまうと悪臭や発酵失敗の原因となります。

ということで、「ちょっと水分多いかな?」と思った時が中身交換のタイミング。

中身の交換は重くて、臭くて、汚い苦痛の作業となります。

できればこの中身交換の頻度を少なく運用したいわけです。

つまり基材にできるだけ水分を入れないことが最重要。

また、尿を分けるのは水分の問題だけではありません。

大と小が混ざることであのキョーレツな臭いになるんです。

分けることでニオイも軽減。

大と小は分けて処理するのが鉄則。

ということでそれらを入り口で分けて処理します。

女性は使えるの?

さて、この大小分離便器を見て男性陣はふむふむ…と納得いったと思いますが女性陣のみなさん、

不安ですよね?

そうなんです。女性にとっては大小分離は難しいようです。

ただし慣れると(=ポジショニングを習得すると)、あとは簡単のようです。

と、妻が以下の動画で語っていました。

とはいえ、初めて使う女性や子どもは失敗もしてしまうのでこのトイレは来客向けではないですね。

間違っても不特定多数向けのイベントとかには使えないです。

分けない方式のやつ

ちなみに、世の中には高性能なコンポストトイレがありまして大小を分離しないタイプがあります。

こいつが水分問題をどうしているかというと、電熱線で温めて蒸発させて換気扇で強制排気しています。

ザ・力技。

これには常にコタツをONにしているくらい電気を喰います。使いやすいけどエコではないですね。

ラチェット撹拌式

さて、上述したように入り口で大小を分離して、尿は尿タンクに。

大便は撹拌羽のついたバケツ(撹拌コンポスト容器)に入ります。

撹拌コンポスト容器には基材として腐葉土をあらかじめ入れておいて、ウンチと腐葉土をミックスします。

実はこのコンポスト容器は既製品である「自然にカエル」をベースに作成しています。

この手回しハンドル部分を取っ払って、代わりにボックスソケットを溶接しています。

ここに、ラチェットレンチが接続されるという仕組み。

これにより、便器に座りながら撹拌処理することが可能なのです。

「座ったまま中身を撹拌できる」これって実はかなり重要なポイントで、

うんこした瞬間に土を被せることができるんですよ!!!

うんこって意外とニオイはそんなにキツくなくて土を被せた瞬間あの匂いはほぼ消えるんですね。

うんこ産み落としてすぐにかき混ぜることでうんこ臭が部屋にこもらないんです。

これは地味に画期的だと自負しています。

想像してみてください。

撹拌ハンドルが真横に付いていて「事後」にしか撹拌できないことを。

How to Use a Composting Toilet - Vintage Trailer Supply

うんこ産み落としてから撹拌までのタイムラグ。その間にニオイがお部屋にこもっちゃいますよね…。

ということでラチェット撹拌型のコンポストトイレはニオイという点をクリアしています。

対応人数と交換頻度について

弊社のコンポストトイレは1〜4人使用に対応していますが、圧倒的にひとり使用がオススメです。

交換頻度のグラフ、下図を見てみてください。

一人使用だと半年、うまく使えば1年以上使用し続けることができます。

これは微生物の分解力>うんこの投入量 という関係性が成り立っているのだと思います。

これが二人使用になると一気に交換頻度が増えて、30日ほどになります。

さきほどとは逆に微生物の分解力<うんこの投入量 という関係性になっています。

3人だと2週間しかもたず、4人だと1週間。これは正直結構つらいです。

メイントイレとして毎日使用するなら2人使用くらいまでが最適です。

メンテナンスについて

大便の処理

上述しましたが撹拌コンポストの水分が多くなってきたら交換のタイミングです。

ちなみに水分が多くなるとニオイも少し発生しますので、それも交換の目安になります。

交換の際は一度トロ舟などにガサっとひっくり返すのがラクです。

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トロ舟のまま、雨の当たらないところで1〜3ヶ月放置すると完全に発酵してうんこが消滅します。

それを肥料として畑に撒いてもいいですし、もう一度基材として撹拌コンポストに戻して使用することも可能です。

処理をラクにする裏ワザ

「私にはそんな処理作業できない、、、」と抵抗を感じたあなた。

中身を永遠にひっくり返さないで済む方法があるんです!!

まず撹拌コンポストを3つ用意します。

(画像)

使用中のコンポストAがいっぱいになったらAを取り出してBを使用します。

Aはそのまま放置です(中身はひっくり返しません)。

BがいっぱいになったらCを使用します。Bは取り出して放置します。

Cがいっぱいになった頃にはAが完熟しています。

Cを取り出してAをもう一度使用します。

↑の無限ループ

こんなサイクルが実現できれば永遠に中身をひっくり返すことなく運用することが可能です。

うんこは発酵したらほとんどが水と二酸化炭素になるのでかさは意外とそんなに増えません。

我が家はこのシステムを取り入れているのでメンテナンスがとてもラクチンです。

この、予備の撹拌コンポストは一台22000円で販売しているのでそこまで費用もかかりません。

尿の処理

尿タンクがいっぱいになったら下水に捨てるか、肥料として利用します。

「尿を◯倍に薄めたら肥料に使える」という言説には諸説ありますが3倍という人もいるし10倍という説も聞いたことがあります。

日本の堆肥作りの権威である橋本力男先生は38倍だとおっしゃってました。

まあとにかく原液は強すぎるので、最適な量の水で薄めて肥料として使ってください。

逆に草枯らしには原液で。

どんな人が買ってるの?

さて、こんな弊社のトイレですが意外とトイレ単体で年商1000万円以上あります。

こんなに売れるの!?って自分でもびっくりしています。

どんな人が買ってくれているのか、これまでの傾向を紹介します。

自宅用・別荘用・セルフビルドハウス

購入した物件のトイレが使えなくて、、、というご相談がいちばん多いです。


(※AI生成画像です)

山奥の廃墟を購入したケンキャンさんも元々のトイレを撤去してコンポストトイレを導入してくれています。

また、別荘で使いたいとか現在セルフビルド中の家に導入したい、という相談もよく受けます。

こういった「メイントイレ用途」がいちばん多い印象です。

畑用・作業小屋用

この相談も結構多いです。

農家さんが畑のトイレとして活用されたり、作業小屋で使用されたりなど。

自然農youtuberのベリー水野さんも畑用トイレとして導入してくださったり。

僕の大学の先輩である宇野茶園さんも作業小屋用にトイレを導入(made of お茶箱)。

また、作家さんのアトリエ(倉庫)に元々トイレがなくて、というパターンもよくあります。

下の写真は愛知県ラム工房水野さんの作品。


どんな場所にも設置できるという強みが発揮されています。

キャンプ場

キャンプ場のトイレとしてもよく購入されています。

ただし、上述したように不特定多数向けのトイレではないので小規模向けです。

静岡県の、富士山の見えるmagic hourキャンプ場様は5サイトそれぞれにコンポストトイレを設置。

おじろじろキャンプ場様はお客様向けというよりも山の開拓時に自分たちで使用するために購入

腹がよじれるほど面白いキャンプ場開拓日記トイレ編はこちら→ついに辿り着いた、水も電気も使わない究極のトイレ【13#自分のキャンプ場を作る夫婦の話】

そしてあのボッチキャンプヒロシ様も所有する山に設置してくれています!!

フリースクール

子どもたちの教育という側面もあるのでしょうか、フリースクールで導入してくださる事例がここ数年増えています。

藤枝みんなのミライ学校(静岡県)

自然がっこう旅をする木(鳥取県)

災害対策

このトイレ、東京のマンションの住所からのご注文もたまにあります。

気になって何の用途に使うのかお尋ねしたところ、災害用に押し入れに備蓄しておくのだそう(その方は開業医さんでした)。

正直僕は全ての人にこのトイレの備蓄をお勧めしたい。

ほんの数日の断水なら非常用簡易トイレでビニールきゅっと縛るタイプで我慢できますが能登半島地震のように3ヶ月も断水が続くような場合、毎日あのビニールトイレができますか?大量の、ニオイのきついゴミの保管場所、確保できますか?

このコンポストトイレなら何ヶ月も続く断水にも対応できますしゴミも出ません。

実際僕たち家族は能登半島地震の際このトイレがあったから断水を乗り越えられました。

災害時に活躍するのは間違いありません。

ゲストハウス用

宿泊施設にこのトイレが導入されることがたまにあります。メイントイレという場合もあるし、保健所検査のトイレの数をクリアするための半ダミーとして導入する方も。水洗トイレの新設・増設に比べたら圧倒的に低コストで導入できちゃいますね。

ゲストハウスシタノイエ(和歌山)

ゲストハウスikkyu(和歌山)

向いている場所と向いてない場所

この記事でも再三言っていますがこのトイレは不特定多数向けではないです。

あくまでご自宅用・個人使用向けです。

理由は2つあって、①使用に「慣れ」が少し必要なのと、

②分解能力的に、一度に多数のうんこを投入されるのを不得意としているため、です。

なので、能登半島地震では非常にもどかしい思いをしました。

多数の人が泊まる避難所には絶対に向いていないからです。

災害時の避難所について | アットレスキュープレス

とはいえ、災害後の「子どもの遊び場」には提供を申し出て、設置させてもらいました。

毎日10数人のこどもたちが使用していましたがルールや使い方の周知が徹底されたおかげで問題なく運用できていたようです。

このようなケースもあるので、使い方次第では10数人で1台をシェアすることも可能です。

お値段と商品リンク

さて、ここまで長々と弊社のトイレを解説しましたが最後に重要なお値段のお話です!

まず完成品が11万円+税+送料(商品ページ

激安ですね〜。

続いて、自分で箱を作れるよって方のためのDIYキット!

お値段40000円+税+送料(商品ページ

撹拌構造はいらないよ!大小セパレーターだけほしいよって方。

セパレーター単体1万8000円+税+送料(商品ページ

この、EMエコペールみたいな商品と組み合わせて作る方も多いですよ。

グリーンパル GP 生ごみ 処理 EMエコペール 18L #18

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以上です。

長い記事になりましたが読んでいただきありがとうございました。

コンポストトイレがあなたの安心や生活のお役に立ちますように。

では。