【オフグリッド】ソーラーパネルの選び方

今日はちょっと小難しくややこしい話かもしれません。

ここまで

という感じで説明してきました。

今日は実際にどんなソーラーパネルを用意すればいいのかというお話です。初めての方は様々なスペックのものの中からどれを選べばいいのかわからないはずなのでそこを解説します。

パネルのスペックってどんな感じ?

まずわかりやすいのは「発電量」のスペックです。

これは誰でもわかりやすいはず。太陽光がMAXで当たってるときの発電量のことですね。

それでは実際に商品ページに記載されている詳細なスペックを見ていきます。

ソーラーパネルのスペックの例
【単結晶215W】サンテックパワー 太陽光発電パネル STP215S-16/Tem ソーラーパネル商品;ソーラーオフより(¥12500)
最大出力(Pmax) 215W
最大出力動作電圧(Vmp) 24.6V
最大出力動作電流(Imp) 8.75A
開放電圧(Voc) 30.8V
短絡電流(Isc) 9.28A
モジュール変換効率 16.4%
サイズ L1324mm×W992mm×D35mm
重量  15kg

大事なのは「最大出力動作電圧」と「最大出力動作電流」

いちばん重要なのは「最大出力動作電圧」と「最大出力動作電流」です。

パネル一枚ではそんなに重要な数字ではないのですが、たとえばこのパネル2枚を並列に接続すると最大出力動作電流が二倍になります。直列につなぐと最大出力動作電圧が二倍になります。

この計算の組み合わせで、チャージコントローラーが許容する範囲内に収めるというのがパネル選びの難しいポイントです。さらに注意点として蓄電システムよりも電圧を大きくしてあげなければなりません。

ポイント
  • 並列接続;最大出力動作電流が2倍、3倍…
  • 直列接続;最大出力動作電圧が2倍、3倍…
  • これらの組み合わせでチャージコントローラーの許容範囲内に収める
  • 蓄電システムより大きい電圧をつくる

チャージコントローラーとの兼ね合い

チャージコントローラーの許容範囲ってなんぞや!?

ここまで読んで頭の中に「?」が飛び交っている状態かもしれません。ひとつひとつ説明しますね。

チャージコントローラーはパネルからバッテリーへの過充電・過放電や逆流を制御して保護してくれる機器。とっても賢い機械なのです。このチャージコントローラーには機種によって最大電圧、最大電流、最大電力が規定されています。

Y-SOLARトレーサー4210A MPPT 40A 12V 24Vオートソーラー充電コントローラーLCDソーラーパネルバッテリー充電レギュレータを切り替えますamazon価格;17800yen
型番 Tracer4210A
システム電圧 12/24V(自動認識)
最大電流 40A
バッテリ電圧範囲 8~32V
最大入力電圧 100V
最大入力電力 12V system 520W
24V system 1040W
放電回路の電圧降下 ≤0.15V
寸法 252 x 180 x 63mm
重量 1.9kg

もしですね、前出の215Wパネルを4枚使って860Wのシステムを作りたいと思った場合、

4直、2直2並、4並という組み合わせ方が考えられます。

4直

最大電流 8.75A(<40A)
最大電圧 98.4V(<100V)
最大電力  860W(<1040W)
2直2並

最大電流 17.5A(<40A)
最大電圧 49.2V(<100V)
最大電力  860W(<1040W)
4並

最大電流 35A(<40A)
最大電圧 24.6V(<100V)
最大電力  860W(<1040W)

以上から、3パターンとも許容範囲内。「tracer4210A」を使用した場合はパネルはどんな並べ方でもOKということです。※OKなんだけど並列はなるべく減らしたい

じゃあ、このパネルを8枚使いたいという場合はどうでしょう。8枚のときの最大電力は1720Wになるのでtracer4210A(最大電力1080W)はそもそも使用できません。上位機種はこちら。

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型番 eSmart3-40A
システム電圧 DC12V/24V/36V/48V
最大入力電圧 DC150V
最大入力電流 40A
最大入力電力 DC12V 520W
DC24V 1040W
DC36V 1560W
DC48V 2080W
バッテリータイプ Flooded、Sealed、Gel
定格充電電流 40A
過電流プロテクト 45A
動作温度 -20℃~+50℃
サイズ 240×168×66mm
重さ 2.3kg

さて、さきほどのように直列、並列の組み合わせを駆使して電圧150V以下、電流40A以下に抑える並べ方を考えます。

4直2並
最大電流 17.5A(<40A)
最大電圧 98.4V(<150V)
最大電力  1720W(<2080W)

↑これは問題なく接続できそうです。

2直4並
最大電流 35A(<40A)
最大電圧 49.2(<150V)
最大電力  1720W(<2080W)

↑こちらも一見問題ないように見えますが、問題ありです。最大電圧が49.2Vしかありません。それに対して蓄電システムは48V。

48Vの蓄電池に対して最大電圧49.2Vだとほとんど充電されません。電気は電圧の高い方から低い方へ流れるという法則があり、48V蓄電池は充電中50Vを超えるほどの電圧になるからです。

※このシステムは必然的に蓄電池が48Vシステムになるのわかりますか?

最大入力電力 DC12V 520W
DC24V 1040W
DC36V 1560W
DC48V 2080W

チャージコントローラーは蓄電池の電圧値次第で最大入力電力も変動し、この場合は最大1720W発電するため蓄電システムを48Vにする必要があるのです。

蓄電池との兼ね合い

上記でちらりと触れましたがソーラーパネルの電圧は、蓄電システムよりも大きなものでなければなりません。たとえば48V蓄電システムに対して、パネルの発電電圧が30Vしかなかったら、たとえ1000Wの発電をしていても蓄電池には1Whも蓄電されません。

蓄電システムよりもパネルの方が大きな電圧になるようにシステムを設計しなければなりません。

蓄電池より大きな電圧で

ソーラーパネルの電圧 > 蓄電池の電圧

という関係性が成り立たなければ充電されない

[quads id=3]

パネルの選び方まとめ

上記で見たように、ソーラーパネルとチャージコントローラーというものは密接に関わってきます。

チャージコントローラーを選ぶと必然的にソーラーパネルの選択肢が限られてくるし、

ソーラーパネルを先に選ぶとチャージコントローラーも限られてきます。

どちらを先に選ぶのが正しいか、という「正解」はありませんが、僕はソーラーパネルを先に選んでいいと思います。

並列、直列を駆使すればだいたい対応するチャージコントローラーというものは存在しているはずです。

なのでここまで小難しく説明しましたが結論は「気に入ったものを選べばよい」ということになります。

そしてあとから対応するチャージコントローラーを見つけて、接続方法を工夫すればよい。

モーリー

ここまでの説明何やったん!?

ただ、覚えていてもらいたいのは多数のパネルを1系統にまとめてしまうと使えるチャージコントローラーはごく限られてくるということ。

2000W以上のパネルを購入する場合は2系統に分けるなどすると、対応するチャージコントローラーの幅が広がります。

そういったことを頭に入れて逆算しながらソーラーパネルを購入すると失敗のない買い物ができるかなと思って今回はしっかりめの記事を書いてみました。という感じで今日の講義はここまでです。

 

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