昨日はヘビーだったので今日は軽めにいければと思います。
今日は重要三大部材の中でいちばん馴染みのない「チャージコントローラー」についての話題です。
これまで
という流れで進めてきました。よかったら前回までの記事もご参照ください。
それでは今日もまいります!
チャージコントローラーとは
チャージコントローラーは「オフグリッドを始めるのに必要な3大機器」のところでも触れましたがちょっとおさらい。
つなぎ方としてはソーラーパネルとバッテリーの間に入ります。
MPPTとPWMならMPPTを選ぼう
チャージコントローラーには2種類あって、ひとつがPWMチャージコントローラー。これの特徴としては安価だけど電気ロスが大きいということ。それからMPPTチャージコントローラー。これは逆に高価だけど電気ロスが少ないという特徴があります。
災害用とか一時的な利用であればPWMタイプでじゅうぶんかと思いますが、
自宅をオフグリッド化するなど日常的に使用するなら絶対MPPTがおすすめ。
せっかくパネルで発電してくれた電気を無駄にしたくないですからね。
ついでに言うと液晶付きのものとそうでないものがあります。
液晶付きのものは「今現在パネルで何W発電しているか」「家電が何W消費しているか」が視覚的にわかるのでとっても便利。ただし電気の「自己消費量」が液晶なしのものと比べると大きくなってしまいます。チャージコントローラーが稼働する際もじわじわとバッテリーの電気を消費しているのです。
とはいえ、液晶での消費量は気にするほどでもないレベル。バッテリー残量も視覚的にわかるし(=対策がしやすい)僕は断然、液晶付きのものをオススメします。
PWM | MPPT | |
液晶なし | 超安い 電気ロス大 自己消費小 ¥799 |
高価 電気ロス小 自己消費小 ¥4399 |
液晶あり | 安い 電気ロス大 自己消費大 ¥2490 |
高価 電気ロス小 自己消費大 ¥9998 |
チャージコントローラーのスペック
チャージコントローラーは機種によってそれぞれ
- 最大入力電力
- 最大入力電圧
- 最大入力電流
の許容量が定められていて、ソーラーパネルの発電量次第で使用できるチャージコントローラーのスペックも決まります。
もちのろんですが、上記項目の許容範囲が大きいほどチャージコントローラーのお値段も高価になっていきます。なのでソーラー発電のスペックに対してギリギリ許容範囲内であるコントローラーを見つけられれば初期の経費も抑えられます。
それから上記三項目のうち、「最大入力電力」だけは変動する数値です。
- 最大入力電力(蓄電池の電圧により変動)
- 最大入力電圧(一定)
- 最大入力電流(一定)
蓄電池の電圧値が増えると、最大入力電力も増加することが多い。
例えば以下のパネルの系統に最適なチャージコントローラーはどんなものでしょうか。
最大出力(Pmax) | 215W |
最大出力動作電圧(Vmp) | 24.6V |
最大出力動作電流(Imp) | 8.75A |
このパネルを4直2並で接続すると以下のスペックの系統になります。
最大電流 | 17.5A(8.75A×2並) |
最大電圧 | 98.4V(24.6V×4直) |
最大電力 | 1720W(215W×8枚) |
さて、この系統に適合するチャージコントローラーは何でしょうか?まず、最大電力が1720Wなのでここでかなり適合する機種が絞られてきます。
tracer4210A |
Renogy Rover |
||||||
価格 | ¥17800 | ¥22919 | ¥13999 | ¥9499 | ¥15000 | ¥15999 | ¥22999 |
制御方式 | MPPT | MPPT | MPPT | PWM | MPPT | MPPT | MPPT |
システム電圧 | 12/24V(自動認識) | 12/24V(自動認識) | 12/24V(自動認識) | 12/24V(自動認識) | 12/24/36/48V | 12/24/36/48V | 12/24/36/48V |
最大入力電圧 | 100V | 100V | 96V | 18-24V 36-48V |
20-80V 37-105V 50V-160V 72-160V |
130V | 150V |
最大入力電流 | 40A | 50A | 40A | 60A | 40A | 40A | 60A |
最大入力電力 | 12V/520W 24V/1040W |
12V/480W 24V/960W |
520W | 12V/750W 24V/1500W |
12V/480W 24V/960W 36V/1400W 48V/1700W |
12V/520W 24V/1040W 36V/1560W 48V/2080W |
12V/780W 24V/1560W 36V/2340W 48V/3210W |
高スペックなチャージコントローラーを見てみても、なかなか最大電力1720Wに対応できるものは少ないのがわかるかと思います。
この表の中で対応可能なチャージコントローラーはE-smart 3-40AあるいはE-smart 3-60Aとなります。また、その場合も蓄電システムを48V/36Vにしなければならないなどの制限が出てきます。
上記よりわかること
上記のことからソーラーシステムが大規模になるほどに対応可能なチャージコントローラーはとても絞られ、さらに高額になっていくのがわかるかと思います。
なので、たとえば2000Wかそれ以上のソーラー発電システムを作るときは1系統にまとめずに2系統、3系統くらいに小分けにすると低スペックのチャージコントローラーで対応可能になるし、また系統を分けるということはリスクも分散できるのでオススメです。
最近は低価格で非常にスペックの高いチャージコントローラーが入手しやすくなっているのでオフグリッドのハードルが下がりつつあると言えます。
amazonで普通に探せるのでぜひいろんな機種を見比べてみてください。
またまた、軽くまとめることはできませんでした…ヘビーな内容ですみませぬ。ここまで読んでいただいた方、ありがとうございました。