どうも、モーリーです。
和歌山県の過疎のまちで地域おこし協力隊に就任したのが二年前の夏。
田舎で起業するにあたっていつか絶対必要になると思って取得した資格が「国内旅行業務取扱管理者資格」と「宅地建物取引士」という資格。
勉強して初めて知ることも多く、「えええ、こんな抜け道あるなら資格いらないじゃないか!」と思うことも多々ありました。そんな抜け道のことを先日ふと呟くと結構な反響がありました。
田舎で起業するといったときにまず思い浮かぶのは「ツアー」の実施。
僕自身もそうで「旅行業務取扱管理者資格」を取得しました。が!
旅行業法的には「他人が経営する」運送会社や旅館等を利用することが規制されていて、自分の宿に泊まってもらうツアーなら無資格OK!自家用車で運送ならOK!— モーリー/ikkyu×地域おこし協力隊 (@yusukemori87) 2017年9月5日
ただし、自家用車で旅客運送する場合はそのぶんの賃金をとってはいけません。
でもたいてい「ツアー参加費」としてまるっと参加費もらうからどうなんでしょう…。このへんが曖昧で難しいんだよなぁ— モーリー/ikkyu×地域おこし協力隊 (@yusukemori87) 2017年9月5日
ブロガーのイケダハヤトさんにリツイートされると瞬く間にいいねとリツイートの嵐。
ネット上の影響力ってすごいなぁとまじまじと思いましたよ!
Contents
「旅行業」の定義
旅行業とは簡単に言うと以下の3つで定義されます。
- 「報酬を得ること」
- 「一定の行為であること」
- 「事業であること」
一定の行為とはざっくり言うと以下。
1.パッケージツアーやオーダーメイドツアーの実施に必要な、宿泊施設や運送機関との契約を行うこと
2.旅行者のために、宿泊施設や運送機関との契約について、代理や取次を行う
3.宿泊施設や運送機関のために、旅行者に対する宿泊・運送サービスの提供について代理して契約を行う
4.旅行に関する相談を受ける
事業であることとは
継続的、あるいは計画的に、不特定多数の人を相手にしている場合
のことを言います。
つまり、旅行業とは
「旅行者と旅行サービス(宿泊や運送)を提供するものの間にたって、
相互のために契約をしたり、代理をしたり、取次をする」
ことだと言えます。
以上、引用部分は全て行政書士やちだ事務所様より。
旅行業法の抜け道
で、ここまでの重要なポイントをまとめると、旅行者と運送・宿泊業者の「間に立つ」こと=他人の運送サービス/宿泊サービスを斡旋することが「旅行業」と定義されるわけです。
●運送業者や宿泊事業者が自ら運送や宿泊サービスを提供する場合、いわゆる「代理」「媒介」「取次」という旅行業の要件には該当しないので、旅行業とはならない
ですので、ゲストハウスが、いわゆる旅館業法の営業許可を取得しており、かつ自社バスでツアーを実施する場合は旅行業の登録が不要となる可能性があります。
行政書士やちだ事務所様より。
だから、例えば自分が運送業社で、日帰りのバスツアーを企画実施するのは旅行業とはみなされません。
それから、自分が宿泊事業者で、旅客運送を伴わないツアーを企画実施するのも旅行業ではないのです。
そう、僕のように地方でゲストハウスを運営している人は独自ツアーを企画することができるのです!
やったー。新たな食いぶちやー。
と喜ぶ前に。
確認しなければならないことがあります。
道路運送法が引っかかってくる
さて、地方で宿泊事業を開業している人はツアーを企画実施してもOKというのは上項で触れました。
これは国土交通省の観光産業課にも確認済みです。旅行業法的にはなんの問題もないとのこと。
しかし、自家用車での送迎が伴うと別の法律が関与してきます。
自家用バスを使用して神社をめぐるというサービスについてですが、これについては無償であっても違法な行為だと認定される可能性が非常に高いです。
いわゆる白ナンバー(自家用車)での観光バスは、道路運送法という法律に基づいて営業の許可を取る必要があります。
バスの利用者の安全性を確保するためです。
なので、宿泊業者の方が自社バスで観光ツアーも行いたい場合は、運送業の許可を取る必要が出てきます。
あるいは、他の事業者との提携を模索する形になるとは思いますが、そうなってくると、運送サービスの手配を行う形になってしまうため、今度は「旅行業」の登録をする必要が出てくる、ということになるかと思われます。行政書士やちだ事務所様より。
そうです、道路運送法が関与してくるのです。
自社バス、と書いていますが、自家用車も同様の扱いです。
ええー。車での送迎が不可となると、ツアー厳しいっす。
なんとかならないものか、国土交通省旅客課に直接問い合わせて食い下がりました。
「ツアー参加費に交通費は含まれていない」は通用しない?
国土交通省の答えは上記見出しの通り。
ツアー参加費として諸々まとめて代金を徴収する以上、送迎に対する料金をもらっていないという理論は通用しないのだそう。
ツアー参加費の内訳の「名目」の部分をいじって「送迎料0円」と表記してもだめだそう。「送迎を伴うツアー」にお金をもらう時点でかなりアウトに近い感じらしい。
しかし僕はここからさらに食い下がりましたよ!!
じゃあ、送迎に対する料金をもらっていないことを証明できればいいんでしょ、と。
たとえば、普段宿泊を伴わない「熊野古道ガイド」をひとり¥10,000でご案内しているという既成事実がある場合。
ツアー参加費も同じく¥10,000/人 という値段設定にします。
宿から古道入り口までの送迎は伴いますが、通常のガイド料のみしかいただいてない=送迎料は取っていないということが、普段の金額と照合したら証明できるわけです。
その場合は、送迎が伴うツアーもOKとのこと。
つまり、送迎ありなしで値段を変えてませんよと言える根拠となる事実をでっちあげちまえー!(投げやり)
法令適用事前確認というサービスがある
今回関わってくる「旅行業法」と「道路運送法」。これらに抵触していないか事前に国交省にチェックしてもらえるそうです。ノーアクションレター制度とかって言うらしいです。
民間企業等が新たな事業活動を始めようとする際に、その行為が法令に抵触しない(違法でない)ことが不明確なため、事業活動が萎縮してしまうようなケースが想定されます。
こうした問題に対応するために、政府においては、平成12年12月に閣議決定された「経済構造の変革と創造のための行動計画」において、「日本版ノーアクションレター制度」の導入へ向けた検討を進めることとし、これを踏まえ、平成13年3月27日に「行政機関による法令適用事前確認手続の導入について」を閣議決定したところであります。引用;国土交通省
あとからバレると結構まずいことになるから事前にチェックしておくのがよさそうです。
この記事を作成するにあたってお世話になった方々
まずかなりお世話になったのが行政書士やちだ事務所様。
突然の質問に対してもめちゃくちゃ丁寧にご対応いただきました。マジで神対応すぎて朝から幸せな気持ちになりました。あとからプロフィール写真見たらめっちゃ若くてビビりました。友達になりたい。
ちなみになのですが、こういう場合はあえて旅行業の登録を取得して、運送系は他社さんと提携していくという形をとることも多いです。
旅行業務取扱管理者の資格を取られているのでご存知だとは思いますが、地域限定の旅行業です。
というメッセージまでいただきました。ホント、見知らぬ僕なんかにご親切にありがとうございます!!
それから旅行業法と道路運送法は国土交通省に問い合わせしました。
国土交通省観光庁観光産業課 TEL: 03-5253-8111(内線27-328、27-315)
国土交通省自動車局旅客課 電話 :(03)5253-8111
お世話になった皆様ありがとうございました。
この記事で何か間違っていることがあればご指摘ください。