ZEHハウスって何?「研究者が本気で建てた ゼロエネルギー住宅」を読んで勉強した内容をシェア

どうもモーリーです。

ちょっと前に「引っ越します」とブログで報告しました。

まだ古民家で消耗してるの?

まだ次の家は決まってないのですが「新築」も視野に入れて検討中です。

新築する場合どんな家がいいかなーと考えたときに最近よく聞く「ZEH(ゼッチ)」について調べてみようと思いました。

参考にしたのはこちらの本です。

ZEHの定義

ZEHとは、net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略語で、「エネルギー収支をゼロ以下にする家」という意味になります。

ZEHの定義、僕も勘違いしていたんですけど「エネルギー収支がゼロ」であって「エネルギーを自給する」ではないんですよね。年間発電量(売電分を含む)が年間電力消費量を上回るっていうのがZEHの定義らしいです。

これがnet ZERO ENERGY HOUSEのnetの意味らしいです。

なんだ、エネルギー自給ハウスじゃないのかとちょっと残念に思った僕です。

内容の半分以上が断熱について

断熱イラスト/無料イラストなら「イラストAC」

ただ、ZEHの定義を達成するための工夫は幾多も施されていて、特筆すべき部分がたくさんありました。

中でも断熱についてはかなりのページ数を費やして解説していました。

通常の「省エネ基準」を満たす家は断熱材を

壁10cm

屋根20cm

施すらしいのですが、著者の三浦さんのZEHハウスは

壁22cm

屋根40cm

という、約2倍の断熱材を仕込んでいます。

断熱40センチは北欧レベル!

このことで暖房エネルギーは普通の省エネハウスと比べて3分の1で済むそうです。

真冬の山形でも朝起きたときに19度をキープしているとのこと。う、うらやましい…

これによる施工のコストアップはたしか400万円と書いてありました。400万円?そんなにかけて元が取れるの?と疑問に思うかもしれません。

 

元、取れるんです。

光熱費のコスト削減で投資回収

暖房で暖まる人のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

電気ガス灯油の光熱費、一般家庭の平均値が20万円/年だそうです。

50年で1000万円、30年でも600万円です。ただしこれは現在の料金での話。

将来に向かって資源が減り続けるわけですから光熱費は上がり続けることが予想されます

この光熱費コストを「省エネハウスの3分の1」にできるわけですから、400万円という投資は長く住むことで確実に回収できる投資なのです。

また、断熱にお金をかけるメリットは光熱費だけではありません。

(これをNEB=Non Energy Benefitとよぶらしいです)

光熱費以外のメリット

寒くて布団から出られない人のイラスト(女性) | かわいいフリー素材集 いらすとや

寒すぎる家は命に関わります。

日本において、お風呂で死亡する人は年間1万9000人もいるそうですが、これは交通事故死よりも多い死因です。そしてお風呂DEATHは冬に特に多い。いわゆるヒートショックというものです。

こういった健康リスクを避けることで医療費の削減にもつながります。

また、これは僕の個人的な意見ですが家が温かいと仕事の効率が上がるというメリットもあります。在宅ワークが増えている昨今、家を快適な温度にキープするということは労働生産性にも大きく関わります。

あと温かいと妻の機嫌もキープされますねきっと(何気にこれがいちばんのメリットかもしれない)。

こういう、数字としては見えにくいベネフィットがたくさんあるのだと思います。

家は冬を旨とすべし

実に世知辛い…鎌倉時代の随筆『徒然草』が伝える吉田兼好のがっかりエピソード (2021年5月3日) - エキサイトニュース

吉田兼好の徒然草では

「家の作りやう(よう)は夏をむね(旨)とすべし 冬はいかなる所にも住まる 暑き比(ころ)わろき(悪い)すまひ(住まい)は たへ(耐え)難き事なり」

とあり、家は夏仕様にすべきだ!と言ってやたら風通しのいい家を作ってきたのが日本の古民家なわけですけど今はエアコン普及率91%の世の中でございます。さらに冷房のエネルギー消費については全エネルギー消費の2%に過ぎません。

夏は太陽光も降り注いでるし、暑さはエアコンで解決しちゃおう☆

対して、暖房エネルギーは地域にもよりますが全エネルギー消費の25%も占めます。家のつくりやうはいかに暖房エネルギーを削減するかを考えるべしな時代ですよ現代は。

ちなみに日本家屋で使用されてきた土壁ですが、土壁の断熱性能はグラスウールの10分の1もないそうです。

断熱材が入っていない隙間だらけの家で暖房に頼っていてもエネルギーをどんどん垂れ流していくばかりです。暖房ではなく、断熱で温まる家というのがこれからの家づくりの基本となるでしょう。

まとめ

という感じで断熱のことで今回は文字数が2000字を超えたのでここで終わりにします。

本の内容としてはこのあと電力自給パート、薪ストーブパートがあります。

電力自給パートについては特筆すべきことが少しあったのでまた別記事でまとめるかもしれません。

僕としては最初から最後までフンフンと頷きながらメモ取りながら、かなり学びの多い一冊でした。

モーリー

これから新築を考えてる人全員この本読むべし

ただ、意外と著者三浦さんの自宅の解説が少なくて、もう少し「私の家、こんな家でーす!」っていうパートを見たかったなぁ。建築士目線で、社会情勢を鑑みて今こういう家づくりが求められてるよねー。欧米ではこんなに進んでるんだよーみたいな概論的な話が多かったです。とはいえ専門的過ぎず僕のような素人の知的好奇心も刺激してくれるちょうどいい内容でした。

僕はすっかり断熱のことに興味を持ち始めて次なる本を読み始めています。

最高の断熱・エコハウスをつくる方法 令和の大改訂版

最高の断熱・エコハウスをつくる方法 令和の大改訂版

西方 里見
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この本は結構専門的過ぎて僕には難しいw 苦しみながら読み進めています。

新築すべきか悩んでますがまた引っ越したら報告します。