【オフグリッド】バッテリーの選び方

電力自給の始め方講座、本日はバッテリーの選び方についてです。

これまで

と解説してきました。今日で「選び方」シリーズの最終章ですぞ!これでだいたい必要な機器類は揃うはず…。今日も(今日は?)サクッとまとめるぞーっ。

知っておきたいバッテリーのスペックを表す値Ah(アンペアアワー)

バッテリーのいわゆる「蓄電量」を表す単位はWh(ワットアワー)です。

30Wの扇風機を3時間動かすのに必要な電力量は30W×3h=90Whです。

80Wのテレビを6時間見るために必要な電力量は80W×6h=480Whです。

蓄電池に溜まっている電力量も同じ単位Whです。

たとえば1000Wh溜まっている蓄電池で前述の扇風機とテレビを3時間、6時間稼働させると1000Whー90Whー480Wh=430Wh で430Whが残ります。

さて、しかし蓄電池のスペックというのは実はこのWhよりAh(アンペアアワー)が多く用いられます。

こちらのバッテリーも12Ahと表記されていますね。

LONG 12V 12Ah 高性能シールドバッテリー WP12-12 WP12-12

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AhをWhになおす方法は簡単です。W(電力)=V(電圧)× A(電流)の計算式に当てはめればよいのです。つまり上記のバッテリーの場合は

LONG 12V 12Ah 高性能シールドバッテリー WP12-12 WP12-12
12V×12Ah=144Wh

というスペックになります。最初から144Whと表記してくれればいいのに、不親切ですよねぇ。でもバッテリーのスペックはだいたいAhで表されることが多いので電圧を掛け算してあげましょう。

何Vシステムにするか決めよう

さて、蓄電システムを設計するときに何Vの蓄電システムを作るかというのは最初に決めておきたいところ。

ソーラーパネルとチャージコントローラーが先に決まっている場合は蓄電システムの電圧値もおのずと絞られてくるでしょう。

たとえばこちらの例で言うと蓄電システムの電圧は48Vに限られてきます。

215Wパネルの4直2並

 

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最大出力(Pmax) 215W
最大出力動作電圧(Vmp) 24.6V
最大出力動作電流(Imp) 8.75A

このパネルを4直2並で接続すると以下のスペックの系統になります。

 

最大電流 17.5A(8.75A×2並)
最大電圧 98.4V(24.6V×4直)
最大電力  1720W(215W×8枚)

使用するチャージコントローラーはこちら

 

 型番


E-smart 3-40A

価格 ¥15999
制御方式 MPPT
システム電圧 12/24/36/48V
最大入力電圧 130V
最大入力電流 40A
最大入力電力  12V/520W
24V/1040W
36V/1560W
48V/2080W

 

上記の例で言うと、パネルの発電電力が1720Wで、それにこのチャージコントローラーを合わせるためには蓄電システムを48Vにしなければなりません(36V以下の蓄電システムのときは最大入力電力の許容範囲が1560W以下となってしまいます)。

こういったように、パネルとチャージコントローラーを決めると、蓄電システムの電圧も決まってくることが多いです。

蓄電システムの電圧が決まると、購入するべきバッテリーもまた絞られてきます。

[quads id=3]

基本的に並列接続は減らしたい

バッテリーの基本知識ですが

  • バッテリーを並列に接続すると電圧は変わらない
  • バッテリーをn個直列に接続すると電圧はn倍に

この法則を念頭に置きつつ、最終的に作り出したい「電圧値」から逆算してバッテリーを選んでいきます。

オフグリッドの一番悩ましい部分がこの「電圧値」だったりします。

なぜならば、できるだけ並列接続を使用せずにシステムを設計したいから。

(並列接続の場合)一方のバッテリーが充電完了後、他方の充電完了されていないバッテリーを充電し循環電流が流れる状態となり、その結果、バッテリーの寿命は短くなります。

また、75%放電-満充電を繰り返しながら利用出来るディープサイクルバッテリーを、放電したまま10.5V以下(通常)で長期間充電しないで放置していると、バッテリーのもつサイクル数(充電・放電を繰り返し利用出来る回数)まで利用できない場合があります。これは循環電流によるバッテリーの劣化と思われます。

Looop club

ということで並列接続はバッテリー劣化が早くなる可能性大です。何を隠そう僕のゲストハウスikkyuも12Vバッテリーを4つ並列接続していた系統のバッテリーが傷み始めました。身をもって体験したので全力で並列接続撲滅運動に邁進したいと思っているところです。

以下「新潟おてんとさん」の見解

やむを得ずバッテリーを並列接続にしなければならない場合は、同じバッテリーを新品で準備できれば良いかと考えます。
で、並列にするケーブルの長さを合わせたり、できるだけ抵抗が同じになるようにします。

ただ、あくまで気休め程度と受け止めてください。
並列接続にした複数のバッテリーが、それぞれ全く同じ劣化状況になるとは思えませんし、充電する電流がに均等に流れるとも思えません。

全く同じ新品のバッテリーを使ったとしても、まちまちの充電具合と劣化をすると考えるのが妥当と思います。

バッテリーを単体や直列接続で運用しているとき以上に、個々のバッテリーの管理を徹底してあげる必要がありそうですね。

新潟おてんとさん

というわけで全部直列で繋げばオッケーィ!

とはいえ12Vの蓄電池だと4つ繋いだだけでもう48V…

直列の難しさはここにあります。電圧が倍々に増えていくのです。

様々な種類の電圧の蓄電池があれば便利なのですが、日本ではあまり販売されていないようですので中国から探しましょう。

以下は直輸入サイトのMadeinChina.comより。

2Vや6Vの蓄電池がかなり安く販売されています。こういった「低電圧」のバッテリーを直列で組み合わせることで様々な電圧に調整することができるでしょう。中国バンザイ!

日本で珍しい電圧のバッテリーを販売しているところといえば「NPO非電化地域の人々に蓄電池を送る会」。

新品価格15万円くらいするバッテリーがかなり格安で販売されています。

とってもオススメ!

とはいえ並列を使うこともある

現状、Amazonで入手できる最強のバッテリーといえばAC delco 31MF。

オフグリッド実践者の先輩方にもかなりこのバッテリーは使われている印象。

なんてったってコスパがいい。12V115Ah(1380Wh)で13000円は破格。

それで、僕がオフグリッドした当時は36Vとか48V対応のチャージコントローラーなんて見かけなかったので最大でも24Vに収めなければならないという事情がありました。そして並列はよくないなんて知らなかったこともあり…。

使用したチャージコントローラーはこちら。

 

 型番 tracer4210A
価格 ¥17800
制御方式 MPPT
システム電圧 12/24V(自動認識)
最大入力電圧 100V
最大入力電流 40A
最大入力電力 12V/520W
24V/1040W

僕の場合はACdelcoを10個導入しました。24Vに抑えるために2直5並で繋いでいます。

使用してやがて二年が経ちますが、こちらの24V系統はまだまだ不具合は発生しておりません。

並列、オススメはしませんが止むを得ず使うこともあるし、それでまあしばらくは問題なく使えることもある、という事例でした。リスクはありますけどね。

まとめ

以上のことから

  • バッテリーはできるだけ並列接続を含まない方がいい
  • 直列接続だと電圧がn倍に増加するので逆算して蓄電池を用意しよう
  • 低電圧のバッテリーを組み合わせると、全て直列で必要な容量の蓄電システムが得られる

といったところがまとめになります!

以下にオススメの購入先を一覧にしておきます。

参考 再生バッテリー販売ページNPO非電化地域の人々に蓄電池を送る会 参考 2V蓄電池販売一覧Made-in-China.com 参考 power wallTESLA

 

いやぁ、何と言っても蓄電池選びがオフグリッドの肝ですよ。

僕もまだまだいい蓄電池を探求中。今はまだまだ「コレ!」と言えるのがないというのが残念です。逆に言えばビジネスチャンスかも!?来たるオフグリッドの波に乗り乗りでいきましょー

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