不動産業の基礎知識!田舎で空き家ビジネスはアリ?ナシ?

こんにちは空き家フェチ・モーリーです。

ちょっと前までは空き家を見てはすぐ手を出していたのですが資金も尽きたので今は4件借りるにとどめております。

京都にいた頃も夫婦で4件ぐらい無駄に借りてたんですが、「こりゃ破綻するわい」とさすがに気づいたので、好きなだけ空き家を借りてやるぅ〜と不動産業を始めることを決意したのが3年前。見事に宅建士の資格を取るに至りました。

しかしその後、3年間宅建の資格は使われぬまま。開業を目前にどうして僕は足踏みしているのか?資格を勉強したからこそわかった、不動産業のオイシさ、それから「田舎で不動産業」の難しさなんかを本日はお伝えします。

不動産業の定義

まずは基本中の基本、不動産業の定義です。この定義外のことをする際は宅建士資格が不要となります。

不動産業とは「宅地建物取引業」のことで宅地または建物の取引を業として行うことをいいます(そのままやんけ!)。

この「取引」の部分が厄介で、取引の定義は

 ①売買や交換の当事者となること
②売買・交換・貸借の媒介又は代理を行うこと

です。①と②をよく見比べてみてください。①は「貸借」がありませんね!?

なんと!貸借の当事者となること、つまり「自ら貸借」は不動産業ではないのです!だから、田舎の安い家を買い上げまくってリノベしまくって貸しまくるってのは免許なくてもOKなんです。

逆に、安い家を買い上げてリノベして販売することを業にするのは免許が必要です。

業にするというのは

①不特定かつ多数人に対して
②反復継続して
取引を行うこと

と定義されています。だから裏を返せば一回はいいよってこと。それを反復するなら「業」にあたるから免許が必要だよ、と。

モーリー

一回なら、いい。

あと例外がいくつかあって、国・地方公共団体には宅建業法の規定は一切適用されないため、免許は必要ありません(自治体が進める空き家バンクなんかは法律適用外ってこと)。

開業するには宅建士が5人に1人の割合で必要

宅建業を開業するには、個人事業であれば本人がもちろん宅建士資格を持ってることを要しますが、法人であれば役員の中に宅建士資格を保有している人がいればOK。その割合は5人に1人以上と定められています。

たとえば6名の法人であればその中の2人が宅建士である必要があります。

宅建士資格ですが合格率は15%とビビるほど低いですがそんなに難しくないです。いや、結構難しいかも。

でも合格率が低いのは単に受験する母数が多いためです。試験会場で「わーそういうことか!」ってめっちゃ納得したのを覚えています。「キミが合格率を下げているのかぁ!」って人がわんさかいたよ。

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僕は3ヶ月の勉強で合格しました。テキストには「出る順宅建」を使いました。おすすめです。

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法律の知識全くゼロだった僕は妻が法学部出身だったので通訳してもらってなんとか理解できましたが、法律の文章ってホント何言ってるか最初さっぱりわからないんですよ。これを独学で乗り越えるのが難しそうな方は通信教育など利用するのもいいかと思います。

売買・賃貸仲介で得られる手数料の上限

さてさて、不動産業の最大の魅力は「一発がデカイ」ってことなんですが、そりゃもう、売値1000万円の不動産の仲介なんかができたらウハウハです。具体的にいくらくらいの収入が得られるのかを教えます。

売買の場合

売買の場合の仲介手数料は以下のように上限額が定められています。

代金額 報酬額
①200万円以下 代金の5%
②200万円超400万円以下 代金の4%+2万円
③400万円超 代金の3%+6万円

つまり具体的には

物件の代金額 得られる報酬額
100万円 5万円
200万円 10万円
300万円 14万円
400万円 18万円
500万円 19万円
600万円 24万円
700万円 27万円
800万円 30万円
900万円 33万円
1000万円 36万円

といった感じです。うおお!

モーリー

400万円の物件が売れたら森家は一ヶ月生きていけるなぁ
1000万の物件が売れたら2ヶ月遊べるね!

千ちゃん

賃貸の場合

賃貸の場合は家賃の1ヶ月分(+税)が報酬額の上限です。売買に比べて結構シビアだよね。

田舎物件の場合は家賃が5000円とか1万円とかっていうのがザラにあるから、そういう物件は割に合わないってことになる。

売買にしても、田舎の物件は100万円以下とかが多いから、不動産業者が田舎物件に触れたがらない理由はここだよね。

開業に必要なお金

さてさて、こんなオイシイ仕事なら誰だってやりたいですよね?しかし、扱う金額が大きいため、それなりにトラブルへの対処能力を求められます。具体的には1000万円の供託金を供託所に預けなければなりません(いずれ戻ってくるお金)。

しかしこれではなかなか払える業者が少ないため、保証協会なるものが存在します。よく見るハトマークのやつです(ウサギマークもある)。

「ハトマーク」の画像検索結果

この保証協会に加入すると、なんとたった60万円(プラス従たる事務所ごとに30万円)で1000万円と同等の保証が受けられるというではありませんか!

こりゃみんなハトマーク海賊団の傘下に加入するわけです。

んで、ハトマークに加入するには入会金なるものを支払わなければならない。お値段60万円くらい。その他様々な手数料とかぜ〜んぶひっくるめると150〜180万円を最初に用意しないといけない。

このお金を用意できるかどうかというのが開業への最たるハードルです。

この初期投資を、ボロボロの家の仲介手数料で回収していくのはかなり気の遠くなる話だなぁ、と思って僕は足踏みしてるところです。

最後に

以上が不動産業開業のポイントでした。「初期投資の割にどうかなぁ」と思って僕は足踏みしているけれど、僕が住んでる田舎は特別、不動産の価値が低いのです。家賃相場は1万円以下だったり、売買の相場も100万円以下だったり。それを仲介してもなぁ。

てゆうかそもそも空き家多いけど大家さんが手放す気のないところが多い。それがいちばんの足踏みの理由です。不動産を開業したところで賃貸・売買の相談に自発的に来てくれることって少ないだろうと思ってて、僕自身が自ら掘り起こして、大家さんにコンタクトして、説得して、時には足を運んで、ようやく乗り気になってくれる、みたいなプロセスを考えると気が滅入るし、苦労して仲介したところでスズメの涙ほどしか収益がない、みたいな世界…。それこそ僕が現役の「地域おこし協力隊」だったらできましたけど。後ろ盾がないとなかなか厳しいっす。

う〜ん、やっぱり僕はまだいいかな、不動産業。

でも一度免許を取って開業しておくと全国の物件を扱えるのでそれはめっちゃ面白いよね!!

旅先で発見した空き家をブログで紹介して仲介もしちゃう「旅する不動産屋」とかやりたいもん。

まあ、それは非現実的として…田舎で不動産業をするなら別荘地とか、金額が多少高くても買い手がつく立地で開業するのが無難そうです。僕もいつかどこかで開業できたらいいな。

そういうわけで、宅建士資格、持ってても損はないよ。10月試験だから、今からでも間に合うかも?

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